記事内に広告を含む場合があります。
当ブログでは記事内に「アフィリエイト広告」などの広告を掲載している場合があります。
問題のある表現などありましたらお問い合わせまでご連絡くださいませ。

アイテム

又吉直樹「月と散文」を読了! 手に入れたもの失ったものを想う

スポンサーリンク

学生時代、お笑いが好きで渋谷の無限大ホールなどに足繁く通っていたことがあります。

中でも当時ピースや平成ノブシコブシの東京NSC5期生を中心に追いかけていて……
ピースは今でも大好きなお笑いコンビです。

作家としての活動も行っているピースの又吉直樹さんが、今年3月に新しいエッセイ本を発売しました。

忙しさにかられて読み始めるまでに時間がかかりましたが……
最近ようやく本を開くと、その世界観に魅了され、ついに読み終えることができました。

おもしろい本をお探しの人にぜひおすすめしたいと思い、紹介します。

又吉直樹「月と散文」とは

私が無限大ホールに通っていた時期、又吉さんはそこで「実験の夜」というライブを行っていました。

毎月の公演も、流行り病の影響で通常通りの公演が難しくなっていったようで……
100回を機に一旦終了することになりました。

実験の夜が終わり、その後継的に始まったと思われるのが、又吉さんのオフィシャルコミュニティ「月と散文」

今回のエッセイ本は、そこで発表され大幅に加筆修正された文章と新たに書き下ろした文章全66篇が収録されています。

又吉さんがエッセイ本を出版するのは、2013年の「東京百景」より10年ぶりです。
上京してからの10年を振り返ったお話が中心のエッセイでした。

10年経ち、40代となった又吉さん。
又吉さんを取り巻く環境も、世の中も大きく変わった中で何が描かれたのか、とても興味がありました。

私が「月と散文」で注目したところ

「月と散文」は全体的に又吉さんが2020年以降に書いた文章で構成されています。
その中でも描かれた場面、状況というのはさまざまでした。

「月と散文」を読み終わって、私が感じたことをちょこっとだけお伝えします。

私にとって「月と散文」はこんな本でした。

大きく変わっていった中で得たもの失ったものを感じる文章

「東京百景」から10年、又吉さんの取り巻く環境というのはとても変わりました。

小説の執筆、その後の芥川賞受賞。
相方・綾部祐二さんの渡米。
未曾有の感染症大流行による影響。

などなど。

その中で得たもの、そして失ってしまったものを、又吉さんの感性で受け止めているのを感じる本です。

「あの頃のようには本を愛せなくなってしまった」というタイトルのお話が収録されています。
自らも作家で、本好き芸人としても有名な又吉さんが、本を愛せなくなったってどういうことだろうと、気になりますよね。

年齢を重ねたからか、取り巻く環境からか、又吉さんの中で見えるものに変化があったのだと感じます。
読み終わったあと、又吉さんの過去のエッセイも読み返したくなる心地になります。

又吉さんの目に写る限りなく体験に近い創作のような世界観

「月と散文」は又吉さんの10年ぶりのエッセイですが……
決して出来事や思いをなぞるようなものでなく、ときどき不思議な感覚に陥るような表現が魅力です。

「エッセイ」なんだけど、そのカタチに固執せず、おもしろさを追求した読み物として楽しめます。

前半と後半で、ぜんぜんちがう話を読んでいるような気持ちになったり……
途中である仕掛けに気づいてハッとして、鳥肌立てながら読み出しに戻ったり……

「しりとり」というお話が私のお気に入りのひとつですので、ぜひ読んでいただきたいです。

時代を見つめながらも月のように浮かぶ又吉さんのあり方

オンラインコミュニティ「月と散文」は感染症流行禍の2021年に立ち上がり……
今回のエッセイ本はそれ以降に書かれた文章がほとんどということになります。

私は、世の中の動きや身の回りの出来事を借りて浮かび上がってきたものこそ、又吉さん個人のあり方、思いだと感じました。

それが、この本のモチーフの「月」のような存在のように思えました。

それはときに繊細で、感傷的で、形を変えながらそれでいてはっきりとそこにあるような……
いろんな又吉さんがいるように感じて、でもそれはどれも又吉さんという一人の人の輝きなんだなと思いながら読みました。

本を読んで笑い声が漏れる経験をこの本で久々に得た

「エッセイ」という形にこだわらず、おもしろい読み物としていろんな側面を見せてくれる「月と散文」

又吉さんの目に見えるもの、頭の中ってこんなふうになってるのか〜と……
すごく不思議で、新しい感覚にさせてくれます。

ときどき、読みながら笑っちゃうことも。
会社の駐車場で車に一人いるときに読んでたからよかったです。

読んでいて思ったのは、描かれている又吉さんのまわりにいる人たちが、本当にすてきな人たちばかりだなあと感じました。
ご家族や、ご友人、相方の綾部さんや、仲のよい芸人さんたち……

みんなまとめて抱きしめたくなる気持ちで読ませていただきました。

自分を抱きしめたい人、自分以外の誰かを想いたい人。
時代や出来事に振り回されて疲れちゃった人。

又吉さんの目線を借りて、明日からも生きてみる力を手に入れてみませんか。

それでは、今日も元気にいってらっしゃい〜!

-アイテム,
-

スポンサーリンク

Copyright© 登録販売者の毎日 Neither Poison Nor Medicine , 2024 All Rights Reserved.