以前から私は「できないこと、やれないことを数えることにまったく意味はない」ということを、このブログでも発信しています。
マイナスをいくら数えたところで、それはゼロにすらなりません。
仕事の覚えが悪い人、要領の悪い人、器用でない人を捕まえては
「あの人は仕事ができない」「人員としてまったく使えない」と切り捨てる上司や先輩。
ちょっと待ってください。
大きな声では言えませんが……それ、教え方が悪いんでないですかね。
目次
教え方ひとつで別人になるエピソード
私が大学生のとき、お好み焼き屋さんでアルバイトをしていました。
バイト先の従業員はみんな仲がよく、わいわい楽しく働いていましたが……
新しく入ったアルバイトくんの仕事ぶりが……
ある時、新しくアルバイトに採用された男の子。
彼が思うように仕事を覚えられません。
「それ、前にも教えたよね?」
「わからないなら間違える前に誰かに聞きなよ!」
試用期間の終わりも近づくのに、一向に仕事に慣れる様子はありません。
先輩従業員たちもお手上げ、次第にイライラが募ってきました……
たまたまヘルプで来る社員に事情を説明
そんなある日、別の店舗の正社員さんがヘルプに来る日と、仕事のできない彼がいっしょのシフトになるタイミングがありました。
店長経験もあるその社員さんは、当時私も親しくしていただいていたのもあり……
「ちょっといっしょに入る予定の子は、要注意かもです」という話をしていました。
「え、どうして」
「いや、実は全然仕事が覚えられていなくて……」
ふ〜ん、そうなんだ。
という感じでこの話は終了。
仕事ができないバイトくんに別店舗の社員さん。
当日はてんやわんやにちがいない、とみんな思っていました……
そこには、な、なんと目を疑う光景が〜!
社員さんが朝からヘルプで来るその日……
アルバイトくんは早番、私は遅番で、ちょうど入れ替わりで勤務になっていました。
きっとお店は大変なことになっているから、早く出勤しなきゃ〜、なんて思い、慌ててバイト先へ。
そしたら、びっくり!
何度言っても全然仕事を覚えてもらえなかったアルバイトくんが……
あの仕事も、この仕事も。
てきぱきと笑顔で完璧にこなしているではありませんか〜!
ええ〜! 昨日までまったくできなかったのに〜!
「どうやって覚えさせたんですか」
と、私が聞いても「え、全然、ふつうに教えたら覚えてくれたよ〜」という社員さん。
仕事を覚えられないのは、アルバイトくんのせいではなく……
私たちの教え方が悪かっただけだということを、目の当たりにした瞬間でした。
10人いれば10通りのベストな教え方がある
みんながこの教え方で覚えてくれたからといって……
次に入ってきたその人も、同じ教え方で覚えられるとは限りません。
横に10人並べて、同じことを同じように教えても、すぐにできる人もいれば、理解するのに時間がかかる人もいるものです。
10人には10人の個性があり、特技があり、苦手分野もあります。
だから教える方は、よ〜くその人を見て、どういう教え方をすれば、思うように動いてもらえるのかを考えなければなりません。
人を自分のものさしだけで計るのは難しい
自分ができるからといって、他人もできなきゃおかしい、なんて……
そんなことはぜ〜ったいにありません!
自分の価値観押しつけて、他人のできないことばかり指摘して。
そんなことをするだけのキャリアなんて一番必要ありません。
何事も驕らずに、謙虚な気持ちで、いつでも初心にかえりながら……
目の前の相手を思って、想像力をはたらかせながら仕事をしたいものだなと思います。
それでは、今日も元気にいってらっしゃい〜!