今の会社に勤めるまで、私は同じ仕事が3年続いたことがありません。
石の上にも三年、ということわざを、何度も聞かされたこともあります。
そこで3年辛抱することで、見える景色もあったとは思います。
ですが、私はこれまでの職場を「やめなきゃよかった〜」と思ったことは一度もありません。
今の会社はもうすぐ入社6年目を迎えるのですが、これまた「超最高、天国〜」という職場かというと……
一概にはそうは言えなかったり、仕事をする上で辛いことや悲しいことだって起きるものです。
なぜ今の会社は5年も6年も勤続できて……
それまでの会社は続けられなかったのか。
これまでの心境の変化などを振り返ってみようと思います。
目次
ただ転職を繰り返していたつもりはない
どの職場においても退職するにはそれなりの理由がありました。
今の職場を含め、100%理想の職場なんていうものはこの世にないのではと思います。
転職をしたいのは自分の我慢が足りないだけなのか、悩んだこともあります。
でも、仕事でもやもやしていた頃の私は、とくに以下のことを何度も何度も考えて……
「職場を離れる」という決断を下しました。
それがこちら。
- 「なりたい自分像」がそこにあったか
- 自分が動くことで変えられる現状があるか
- 生活する上で正当な給料が支払われていたか
「なりたい自分像」がそこにあったか
ここから数年、同じ場所で仕事をし続けるとして……
「たのしい!」と思いながら働けている自分がいるかどうかを考えました。
その手本となるのが、まさにいっしょに働いている先輩社員の姿です。
最初に勤めた会社の隣の席の先輩は、なぜかいつもカリカリしていて……
叩きつけるようにマウスを操作するのがいつも気になっていました。
その先輩から教えられたことで印象に残っているのが……
「お酒を飲む席では若い女性社員がほかの男性社員に率先してお酒を作ってあげること」です。
当時23歳ほどの、お酒なんてチェーン居酒屋の飲み放題くらいしか利用したことのない私には衝撃的でした。
そしてこれを聞いたとき、この会社では女性社員が男性社員よりものびのび活躍することはできないと判断。
さらにそれを当たり前のように受け入れ実行している先輩のようにはなりたくないのが私の考えでした。
自分の努力で仕事において貢献でき、活躍したいとわかったのはこの時でしたね。
自分が動くことで変えられる現状があるか
今自分が感じている仕事への違和感は、本当に自分の努力だけで解決できることなのかをよく考えました。
「他人」や「会社」を変えなければ、現状が変わることがないのであれば……
自分の目標や条件に合った会社を探し直すというのは、私は全然アリだと思います。
1社目を退職ののちに入社した会社でのイチバンの不自由は「休日」でした。
自分の意思で有給休暇を取ることができなかったのです。
現場を3人で回していたのですが、誰かが営業日に休むと現場が回りません。
なので配属して最初に「休みの希望は受け付けない」と釘を刺されていました……
ライブや演劇の鑑賞を趣味としていた私にとって、これはかなりストレス〜。
自然と定休の曜日の公演しか行けないようになりました。
しかも会社の定休は月8日なので、5週目のある月で9日目の休みがあるようなときは有給休暇があてられていました。
だから「自分の意思」では有給休暇を取得してないけど、ちゃんと取得してることになってるんですよね〜。
「なんで誰も会社に言わないんですか」と言ったこともあるけど……
みんな「そういうものだから」と言って動かなかったし、動いたところでだったんでしょう。
生活する上で正当な給料が支払われていたか
2社目の会社では、主に調剤事務として採用されていたのですが……
事務さんのお賃金ってどうしても薄給でした。
だから「登録販売者の資格を取れば資格手当が出るよ」という面接での言葉を信じて……
見事入社からおよそ1年で登販資格を取得しました。
しかし、研修中とはいえ従事登録してから数ヶ月。
待てど暮らせど資格手当が支給される様子がなく、会社に尋ねてみました。
すると「研修中は資格手当を出さないよ」「一般従事者での実務は実務経験に入れないよ」とのこと。
そういう会社もあるかもしれませんが……
完全に資格手当を生活の頼りにして考えていたので困りました。
当時は毎月の奨学金の返還も満額で返せないほどの収入。
これがあと数年続くのは厳しいな〜、しかも本当に手当出るのかな〜。
それがいつしか会社に対する疑念、不信感になりましたね。
今の会社での仕事が5年以上続く5つのワケ
そんなこともあって、流れ着いたのが現在のドラッグストア。
おかげさまで日々いろんな経験をさせていただいています。
小さい頃から思い描いてきた世界とは全然ちがう業界で生きています。
それでも目標を持って、どんな自分で働いていたいかを考えてきた結果、今ここにいると思います。
5年以上在籍するはじめての会社になりますが……
仕事が続いている理由を考えてみたのでご紹介します。
「職場に求めたい最低限の条件」をクリアしている
職場を探す上で、最低でもここだけは譲れない点ってありますよね。
私が最初に転職したときの場合は
- 人と対面する仕事
- 休みの希望が通りやすい
という点を重要視していました。
で、浮かび上がったのが小売業。
職場に要求ばかりしては自分の成長を閉ざしかねませんが……
この最低ラインをクリアしているので、働きやすさは感じています。
嫌なことが起きても辞めるほどの嫌なことではない
働いていると嫌なことって起きるものですけど……
少なくとも自分の努力や行動で改善できるのであれば、辞めるほどではないですよね。
ひどいパワハラもなければ、給料が支払われないこともない。
たとえ壁ができてもすぐに前を向くことができる気持ちでいられています。
なりたい自分になるために学べることがまだある
今の会社に入るとき、私は「もっと多くの人の健康のサポートができるようになりたい」と思っていました。
今もその思いは変わりません。
そして働いていく中で新しい目標ができました。
- ドラッグストアを中心とした市販薬販売をする小売店に特化した魅力的な販促のカタチをみつけること
- 接客方法や売場の見せ方、POPの書き方などのあり方を見つめ直し、共有できる環境を整えられる人間になること
- 現場で働く人の悩みや疑問を解決して笑顔に導く方法を考えられるようになること
ドラッグストアで働く人間として、この業界を盛り上げていくにはどうしたらいいだろう。
そう考えることが増えました。
道のりは長いものだと思いますが……
なりたい自分を追い求める上でも、今の会社で学べることはまだまだたくさんあると思っています。
自分の仕事ぶりが評価され活躍させてくれる
今の会社は、ちゃんと私が2年以上実務経験を積んだことを加味して採用してくださいました。
資格手当も最初から管理者分の手当で支給。
うちの会社の好きなところのひとつは、資格手当が他社より多めなところです。
その分推奨品を売って会社に貢献してね、という思いもわかる部分があります。
そしてありがたいことに、前職で身につけたPOP作成の特技が評価され、活躍の場をいただけています。
入社してそう経ってもない頃から、なぜか「あいはPOPが書ける」という話が一人歩きしてて……
どこに異動してもすぐにPOP担当にさせてもらっていますね。
その話は本社にも届いて……
あるバイヤーの担当商品を通して、全店に貼るPOPを担当することもできました。
できてないことややれていないことも指摘されることは多いのですが……
やれていることを見てくれる人がいるというのも働きがいを感じますね。
席替え感覚でわりと頻繁に人事異動が起きる
人事異動が多いというのも、実はいいことなのではないかと思っている節があります。
なぜなら自分から動かなくても、勝手に周りの環境を変えてもらっているようなものだから。
環境が変わるというのは大きな変化ですし……
まして自分が動く対象となると余計に慣れるまでに苦労することもあります。
私も最初の1年くらいは3ヶ月に1度は異動を経験してました。
ちょうど連続テレビドラマがワンクール終わる頃に異動、ですね……
でも、たとえ今いる職場にそりが合わない人がいたとしても
「次の人事までの辛抱だ」と期待することもできるのです。
席替え感覚くらいの頻度で人事異動が起きていると、むしろ人間関係に滞りが出来にくくていいような気がします。
「収入」「人間関係」「休日」2つ以上が満たされること
自分にとってその会社に長く勤められるかどうか。
その基準が、一応自分の中にあって……
「仕事内容」が自分にあっているか、これを前提に
「収入」「人間関係」「休日」
この3つのうち2つ以上が満たされていれば、まあなんとかやっていける。
そう思っています。
たくさんお給料をもらっていても、従業員同士ギスギスした環境で休みなく働くのも……
お休みは取りやすいけど、薄急で従業員同士もあまり仲が良くないのも……
みんな仲良しだけどお金も休日もろくに貰えないのも……
いやですよね、私は働けません。
今の会社は、べらぼうに給料が高いわけでもないけど、ちゃんと奨学金返せてるし、家賃も払えてるし。
休日もそれなりに毎月希望の休みは取れてるし、現場の皆さんいい人が多いので、全然働けると思ってます。
いざとなれば人事異動が起きますしね。
そこだけが居場所じゃない、選択肢は数多ほど存在する
5年以上同じ会社に勤められるようになった私ですが……
決して今の会社にも仕事にも固執しているつもりもありません。
もちろんいまお世話になっている分一生懸命お仕事で返していくつもりです。
でもなりたい自分、ありたい私になるために、ステップを踏むときが来れば、次を考えるかもしれません。
私が言いたいのは……
たとえ同じ職場に2年と勤められなかったとしても、それは本当に自分の大切にしたいことと合わない場所だったのかもしれない。
大切なことを見極めつつ視野を広く持っていれば、思わぬところにご縁が転がっていることもあるんですよ。
自分が見ている世界は思った以上に狭いのだと知りましょ。
あなたが輝ける世界がみつかりますように。
それでは、今日も元気にいってらっしゃい〜!