今の会社に勤めてからは、あんまりやらなくなっちゃってダメだと思うのですが……
薬局時代の時間と働き方に余裕のあった頃は、自分の接客をメモしてノートに清書していました。
今でも時々読み返しては、自分の接客を見つめなおすことをしています。
過去の接客の記録を見て「今だったらこんなことも聞くな~」とか、思ってみたり。
目次
接客ノートの書き方
ノートに清書する際に、私は見開き2ページでひとつの接客をまとめるように決めていました。
- 左のページに実際のやり取りで聞きだしたことや対応など
- 右のページに接客後に調べた情報やその他補足など
をあとから見てもわかりやすく簡潔に書きました。
ちなみにこれは私の母のことを事例に書いたメモ
うまくいかなかった接客こそ丁寧にノートをとるようにしました。
接客後はよく調べて、限られたスペースにわかりやすくまとめます。
なにより、そのときは思いつかなかったことがあとになって思いついたり、考えるヒントになることが多いからです。
たとえば。
接客事例「足の付け根が痛い高齢の男性」
10月に訪ねられた80代の男性のお客様の接客事例です。
「足の付け根が痛いので湿布薬がほしい」と来店されました。
お客様の情報
お客様にお話をうかがって分かったことで
- じんじんする痛みというより、さすような痛みを感じる
- 付け根が痛くなる原因は自身ではわからない
- 足の付け根からつま先まで痛むときがある
- 貼付薬によってかぶれたことはないと思う
- ぜんそくは持っていない
ということが書かれていました。
これに対しての対応が以下に書かれています。
実際におこなった対応
実際の対応メモ
痛み方から神経痛のような気もしたが、本人が原因はよくわからないということから病院の受診をすすめました。
しかし、どうしても何か欲しい、とお客様。
最終的にインドメタシンの貼付薬をご自身で選び購入。
治らないときは必ず病院へ行くことを伝えました。
受診勧奨はしましたが、お客様はあまり納得されなかったようです。
くすりを選ぶにも情報量が少ないし、今だったらこんなことも聞くのにな~ということも浮かんできますね。
こんなことも聞けたかも
今なら聞くかもしれない質問集
- いつから痛みますか
- 何をしているときが一番痛みを感じますか
- 痛む場所を押して、痛みが強まりませんか
- 常に痛みますか、安静にしていてラクにはなりますか
- お風呂に入って痛みが増すことはありますか
- 病院で治療を受けたり、くすりをもらっていませんか
- 最近たくさん歩いたり、足に負担のかかることはしませんでしたか
などなど。
お客様に質問すればするほど、得られる情報が増えるだけでなく
「ああ、この人は自分の話をこんなに聞いてくれるんだ」
という信頼感をお客様に根付かせることができます。
接客後に調べたことのメモ
ちなみに、接客後の調べ物メモは
「高齢者が足のつけ根が痛むときに考えられる原因」がまとめられていました。
腰椎椎間板ヘルニアや変形性腰椎症、腰部脊柱管狭窄症などが原因による「坐骨神経痛」だったのでは、という考えになったのでしょう。
いずれにしても市販薬の範囲をはずれてしまう痛みの可能性が高いです。
なので受診勧奨は正しかったと今でも考えられます。
ただ当時はお客様を納得させる接客スキルがありませんでした。
こういった知識を備えて、説明することができればもしかしたら結果は変わっていたかもしれませんね。
書いたら見返すのがノートの存在意義
書いたらそのまんま、ではなくて読み返してこそのノートです。
- 自分の接客の「見える化」で弱点をいち早く察知する
- 情報をコンパクトにまとめる力がそのまま接客のわかりやすさに
という、と~っても便利なお役立ちアイテムとなります。
ぜひ、お薬の接客をしたらメモ帳にささっと記録する習慣を。
楽しくお仕事できることに感謝します。
今日も元気にいってらっしゃい~!