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医薬品 接客

点鼻薬の使い方! わかるだろうは要注意

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点鼻薬をお求めの高齢の女性のお客様。
売場にご案内し、これと同じものを、と空の点鼻薬の容器を差し出されました。

「この間買って、もう無くなっちゃったからまた買いに来たの。2つくらい買っていこうかしら」

とおっしゃったとき、完全に思い出しました。
この人、年末に接客して点鼻薬を買われたお客様だ。

血管収縮剤入りの点鼻薬を常用

そう遠くない年末のことです。

鼻詰まりがひどく、治らないというご主人のために、くすりを買いに来たというお客様。
聞くとこれまでも点鼻薬を使用していたといいます。
お薬の名前は覚えていない様子。

売場にご案内して商品を見てみると、該当のくすりを発見。
成分表には「ナファゾリン」「クロルフェニラミン」「ベンザルコニウム」の表記。

どのくらいの期間使用しているかを尋ねると、覚えていない。
かれこれずっと使用し続けているようでした。
血管収縮剤による「薬剤性鼻炎」が考えられました。

「このタイプの点鼻薬はあくまで一時的に使用するためのお薬で、2週間を超えて使用し続けるのは鼻詰まりを悪化させる原因にもなるんです」
「あら、そうなの。どうすればいいのかしら」
「本来でしたら、耳鼻科さんへ行って治療を受けることをおすすめするのですが……」

そう言うと、使用しているご主人がどうしても病院へ行きたがらないとお客様。
しかし、これ以上血管収縮剤の入った鼻炎薬を使用することはできません。
そこで……

ステロイドの点鼻薬への切替を提案

「こちらのステロイドの点鼻薬に切り替えていただく必要があります」

ステロイドの点鼻薬なら……

  • 年間で1ヶ月(製剤によっては3ヶ月)使用し続けることができる
  • くすりが原因で鼻炎を起こすことも、効きにくくなることもない
  • 眠気をひき起こす成分ではない

「こちらのお薬は年間で3ヶ月使い続けることができるタイプになります。これを過ぎても鼻詰まりが改善されない場合は、病院へ行くことをおすすめします」

そう言うと納得された様子のお客様。
新しい点鼻薬をひとつ購入し、お帰りになりました。

ところが……

わずか数日で点鼻薬を使い切った

年が明けた最初の出勤日。
空の点鼻薬の容器を持って、お店を尋ねてこられたお客様。
年末の接客から、わずか数日のことでした。

「お客様、たしか年末に、こちらの点鼻薬からそちらに切り替えるように私から提案させていただいた方ですよね」
「あら、そうだったかしら」
「あれから1週間は経っていないと思いますが、もうお薬無くなってしまいましたか」

点鼻薬1本って、こんなに早く使い切れるものなのかな。
ある製品のホームページには、最大用法で使用しておよそ3週間程度の使用と記載がありました。
それと比べると、今回の使い切りの速度は、いくらなんでも早過ぎます……

用法と用量を再度確認し指導

そこでもう一度用法と用量を確認することに。
点鼻薬の使い方は、表記によって勘違いされることも考えられるのです。

「こちらの点鼻薬は『左右の鼻腔内にそれぞれ一噴霧ずつを、1日2回』の使用とあります」

つまり「右鼻に『シュ』左鼻に『シュ』で『1回』です。
これを朝と夕方に1回ずつで2回という使い方になります。

「あら〜、じゃあ使いすぎだわ。片鼻に『シュッシュ』て2回やっていたもの」
さらに1日に使用していたのは朝と夕方以外にも、何度も使用。
使い過ぎは明らかです。

使用する製剤によって用法用量も変わります。
はじめにしっかり指導するべきだったと反省しました。

結局のところ受診勧奨した

「ステロイドの点鼻薬は血管収縮剤入りのものとちがって、効果が現れるのに時間がかかるのも特徴です」
遅いと1日や2日かかるので「効かない」と思われてしまったのかもしれません。

「ただ、やっぱりお客様のお話を聞く限り、鼻詰まりの症状がひどいようなので耳鼻科を受診することをおすすめします。まずはお薬によって起きてしまった鼻炎を治療する必要があるかもしれません」

お客様には、耳鼻科にかかるときには点鼻薬を持参することを伝え、経緯をお医者さんに説明することをアドバイスしました。

「わかるだろう」「大丈夫だろう」な接客は禁物

あとになって思えば、最初からこれを説明しておけばよかった〜ということがたくさん。

意識していないところで「説明しなくてもわかるだろう、大丈夫だろう」という考えでいたのかも。
説明の優先順位から外れてしまったそれらが、実はとっても重要だったりするのです。

点鼻薬の使用方法はややこしさがあるので一度「使い方の説明はよろしいですか」などの確認を入れるのもいいかもしれません。

お客様の不安や疑問を少しでも多く埋められますように。
今日も元気にいってらっしゃい。

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