「足の裏がかゆいんですけど何かいいくすりはありますか」
と、高齢の女性のお客様。
主にかかと付近がかゆいと訴えます。
赤くなって、すぐに治るけれど、かゆさだけが残って困っているという。
「何かかゆくなることに心当たりはありますか」
と、聞いてみたけれど、お客様ご自身は見当がつかない様子。
ぱっと原因を考えただけでも「虫さされ」「乾燥」「水虫」などいろんな理由が思い浮かびました。
あとから思えば「いつからかゆいのか」とか「かゆさはずっと続いているのか、引く時はないのか」など聞くことはまだまだいろいろありました。
ですが、その時は「対処を間違えると原因によっては悪化させてしまうのでは」と思い、くすりを勧めることができませんでした。
お客様は病院へ行ってみると言ってそのまま帰られました。
では「足の裏がかゆい」原因と区別はどうしたらよかったのか、少し調べることに。
大体なのですが、結局のところ
- いつかゆいのか
- どこがかゆいのか
- 患部の様子はどうなっているのか
の3つを把握すれば何が原因なのか絞られるのではないかというところです。
「水虫」ぼつぼつや水泡ができている(患部の様子)
「接触性皮膚炎」何かに触れてからかゆい(いつ)
「汗疱」汗が出る部位がかゆい(どこ)
「むずむず脚症候群」寝ているときにかゆい(いつ)
「皮膚搔痒症」発疹などなくかゆみだけひどい(患部の様子)
「しもやけ」足が冷えたときにかゆい(いつ)
という具合です。
いつ、どこが、どんな状態でかゆいのかは必ず詳しく聞くべきだと思いました。
今回は「かかと付近が赤く、かゆみが残る」ところまではわかりましたので「いつかゆいのか」まで分かればだいぶ絞られたのかなと思います。
ちなみに接触性皮膚炎だった場合の「何に触れたか」という原因の物体にもいろいろあります。
たとえば……
- 乾燥予防で使用した化粧品が実は肌に合わなかった
- 白髪染めの薬剤をお風呂で流した時に足に着いた
- 靴下や絨毯の摩擦
- フローリングのワックス
- 新しくおろした靴に付着した染料
- 最近新しくシャンプー、リンス、石けんなどを変えた
などなどです。
接触性皮膚炎が疑われる場合は、「最近なにか変わったことをしたか」も、聞いてみるといいかもしれません。
結局のところ、私たちは病気などの診断はできない立場なので、ここまで聞いてお薬を選んで
「それでも良くならない場合は必ず病院へ行ってくださいねー」
と送り出すしかないのですが、単純にお客様のお話を聞いてさしあげるのも大事な仕事だと思います。
お客様からたくさん可能な限りお話を聞いたはいいけど「で?」という風にはならないように、少しでも症状を判断材料にできる知識を持てればいいですね。
今日も一日がんばりましょう。