医薬品 接客

水虫のお薬がほしい! というお客様に確認すること

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「水虫のお薬を探しているんですけど……」
というお客様を売場へご案内しました。

お客様は50代くらいの女性でしたが、使用されるのは息子さんです。
「ふだん使用されているお薬どれかお分かりですか」
と、尋ねると、今回はじめて水虫薬を購入されるとのこと。

はじめて水虫薬を買われるお客様には、この質問を投げかけなければなりません。

「その水虫、病院で診断はされていますか」

病院で診断を受けたことがあるかきいてみた

「いいえ、病院で診てもらったことはないです」
「そうですか。この時期になるとよく水虫かも、と言ってお薬を相談されることが多いのですが、水虫の診断をされていない方には、一度病院へ行かれることをおすすめしています」

そう、よくヘルペスのお薬を買いに来られる人に、薬剤師の人が診断を受けたかを確認されていると思いますが……
実は水虫のお薬も、水虫の診断をされているかを聞く必要があるのです。

「もし、水虫ではなかった場合、水虫薬を使っていても効果がないからです。効果がない上、症状がよくならないと言って病院へ行かれた時点で市販の水虫薬を使っていると、病院で正しい診断が出なくて治療に遅れが出ることが考えられます」
「別の家族が水虫だから、きっと水虫だと思って来たんだけど……」

別の家族が水虫だから、と主張されるお客様も少なくありません。
少しお話をうかがってみました。

水虫と思われる症状をきいてみた

症状が出たのはここ最近だそう。

「患部の状態はどんな感じですか。じゅくじゅくしている様子か、乾燥した感じなのか」
くすりの剤形を決める上でも聞く質問をしてみます。

水虫薬の剤形はたくさんありますが、一番簡単な選び方では

  • じゅくじゅくしている湿潤タイプの患部には軟膏やクリーム
  • 乾燥していたり皮膚が角質化したタイプの患部には液剤

が適しているとされています。
液剤は刺激があるので、傷やひびわれがあるような患部には軟膏などを選ぶのもいいです。

「じゅくじゅくというか、日中はふやけたような、皮がめくれた感じがしています」
「? そうでないときもあるのでしょうか」
「寝て起きたときは乾燥していますね」

患部の様子に変動がある……そんなこと、水虫にあるのかな。

「かゆみはあるんですかね」
「かゆくはないみたいです」
「かゆくはない。別のご家族も水虫とおっしゃっていましたが、ご家族は病院で診断されているんでしょうか。息子さんは同じ症状で悩まれている様子でしょうか」
「その家族は病院でくすりをもらったことがあります。症状はよく聞いたことがないです」

症状が起きる心当たりがあるかきいてみた

家族が水虫だから、という主張を続けるお客様。
「ご家族同士で水虫が移るような心当たりはありますか。スリッパを共用しているとか」
「スリッパの共用はしていないですね……でもはだしで家の中を歩いたりもするから」

うーん……水虫以外の可能性を考えるための質問をしてみます。

「最近何か変わったことはされていますか。お風呂で髪の毛を染めた、とか」
「いいえ、髪を染めると、水虫になるんですか」
「あ、いいえ。そうではなくて、足に付着したもので、アレルギー反応を起こして皮膚炎になる可能性を考えてみたんです。他にも、シャンプーを変えたとかでも。新しく買った靴を履いている、とか」
「ちょっとそこまではわからないですね……」

一番引っかかっているのは、患部の様子に変動があることです。

「日中と明け方では、何か足にちがうことをされていますか。保湿をしているとか、靴下を履いているとか」
「寝るときは靴下は履いていないですね」
「そうですか。たとえば、日頃履いている靴下が、ちょっと厚めとか、通気性が悪いとか、そういったことはないですか」
「靴下はわからないけれど、外の仕事だから、長い時間靴は履きっぱなしということはありますね」

まずは受診されることをおすすめした

ここまでいろんなお話をお客様から伺いましたが、結論は変わることがありませんでした。

「私たち登録販売者って、病気の診断をすることができないから、なんとも言えないのですが……ちょっと、水虫以外の可能性も踏まえて、病院へ行かれた方がいいかなって思います」

そう言うとお客様は困った様子で
「なにかくすりは出せないのですか」
と聞いてきますが、水虫薬を含めて、お選びできないことを再度伝えます。

「原因が何かによって、効果の出るくすりって、ちがうんですよ。でも、このように、皮膚疾患って、見た目では全然わからないんです。だから病院で診てもらう必要があります」

水虫ではない人に水虫薬を使っても効果はありませんし、治療の遅れにつながります。
逆に、今回水虫ではないと思って選んだくすりが、実は水虫だった時に選んではいけないくすりの可能性もあります。
いろんなリスクを考えた上でも、病院で原因を探るのは大切なことです。

「病院へ行く以外にも、通気性のいい靴下を履くとか、足裏を清潔に保つとか、一応日頃から気をつけられることはやってみた方がいいですよ」
「そうですね……一度本人にもそう伝えてみます」

そう言うとお客様は何も購入せずに帰られました。

答えは決まっていてもまずはお話をきいてみる

自分の中で「これ受診勧奨だなあ」と答えがあっても、まずはお客様のお話を聞きます。

もしかしたら、答えが変わることもあるかもしれませんが、判断材料が増えることでお客様へ説明する自分の考えの説得性も増します。
また「この人は自分の悩みにこれだけ話をきいてくれた!」という安心感や信頼感も生まれます。

たくさんお話を聞いて、結果お薬が売れない、となっても、がっかりされることより納得して帰られることの方が多いと思います。
悩んでいるお客様のお話は、どんどん引き出してさしあげるのがベストです!

それでは今日も元気にいってらっしゃい~。

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