口内炎のお客様を、立て続けに接客しました。
40代くらいの女性、口の中に傷を作ってしまったようで、その箇所が白くなって痛い様子。
傷はそんなに大きくはないけれど、飲み物を飲んだ時に特にしみて困っていました。
こういう場合は口内炎の薬を使っていいのかと、尋ねられます。
「そうですね、たとえば舌や唇をかんだり、物理的な刺激でできる口内炎と考えれば、今回のパターンもそれに当てはまると思います。だいたい口内炎のお薬の中身って、殺菌消毒の成分とか、組織を修復する成分だったり、あとは炎症をおさえる成分なので、そういう傷とかにも有効に働くかと思いますよ」
「そうなんですね、どのお薬がいいんですか」
「先程言った炎症をおさえる成分というのが、ステロイド剤になります。ステロイドといっても、そんなに強力なものではないのですが、今までステロイド剤を使って湿疹が出たり具合が悪くなったりしたことってありますか」
「ないです」
「口内炎の原因によってはなんでもかんでもステロイドはよくないということもあるのですが、今回は明らかに物理的な刺激での症状なので、効果的に働く可能性はあります」
悩まれるお客様。
「やっぱりステロイドが入っている方が治りが早いのですか」
「炎症をおさえることで痛みも和らいでいくイメージですね。ステロイドは炎症止めとしてとても優れている成分なので、もしかしたら治りも早まるかもしれませんね」
「そうなんですね」
なかなかお薬を選択できない様子です。
「もしやっぱり抵抗があるようでしたら、ステロイドが入っていない外用薬を使いながら、炎症止めやビタミン剤が入った飲み薬を服用するのも、ひとつの手だと思います。トラネキサム酸という成分が炎症止めになりますが、これはよく病院でのどが痛いときに出されるお薬と同じ成分でもあります」
「じゃあ口内炎が治っても、のどが痛いときとかに飲んでもいいんですね」
「そうです。効能にも記載がありますので、使って大丈夫ですよ」
やっぱりステロイドに抵抗があったようで、ステロイド成分の入っていない軟膏と、炎症止めの内服薬を併用することを選択されました。
続いて20代くらいの女性、日頃から口内炎ができやすく、今も一か所できていて薬を探しにいらっしゃいました。
普段は軟膏タイプのお薬を使っているようでしたが、貼るタイプのお薬を見つけ、どちらの方がいいのか尋ねてこられました。
「貼るタイプですと、たしかにそこに固定され続けますから、患部がピンポイントの場合お薬の浸透もしやすいかもしれませんね」
「はがれちゃったりしませんか」
「貼るタイプにも塗るタイプにも共通して申していますが、薬を使う場所の唾液をよくふき取ってから使うといいと思います。それから、薬を使用したら30分くらいは食べ物飲み物は控えていただいた方がいいですね」
お客様、しばらく商品を見比べてます。
「とりあえず、今日は貼るタイプの薬を買ってみます」
「かしこまりました。よく口内炎できるとおっしゃいましたが、口内炎ができる理由ってたくさんあります。生活習慣の乱れでなることもあるし、免疫が落ちてたり、ウイルス性のこともありますし。2週間とかあんまりにも長く続いたりしたら病院で診てもらうことも考えてみてくださいね」
「わかりました。口内炎って、何科を受診するものなんですか」
「歯医者さんとかで診てもらってもいいと思いますよ。口腔外科が一番だと思いますが、大体歯医者さんとくっついてますしね」
「ありがとうございます。様子を見てみます」
前者ははっきりとした原因がわかる口内炎でしたが、後者はいまいち原因が何なのかが把握できなかったので、やんわりと受診勧奨も行いました。
口内炎って、本当に原因がいろいろ考えられるので、それに合わせた対策もやっていきたいものですね。
今日もお客様にとって最善の選択ができますように。