30代くらいの女性のお客様に声をかけられました。
お子様が顔を虫に刺され、痒がるといいます。
くすりを塗るけれど痒さを我慢できずかいてしまうため、かさぶたができたり取れたりをくり返してしまう。
お子様が顔をかかずに、傷を治していくためにはどうしたらよいだろう、というご相談でした。
まだ1才のお子様だそうです。
目次
絆創膏を貼って傷をふさぐ方法を提案
1才では、とても「かいちゃダメ!」と言っても理解できる年齢ではありません。
以前、1歳のお子様の指しゃぶりをやめさせたいという記事を書いています。
その時のお客様が最初に使ったものは、絆創膏でした。
「くすりを塗ったら、絆創膏を貼ってふさいでみるのも、防止策になると思います。キャラクターの絆創膏もありますよ」
貼った絆創膏をはがさない方法など、あれから私もいろいろ考えてきました。
たとえば、お子様の患部と同じ場所に、大人が貼って見せる方法。
「おそろい」という意識を持たせることで、絆創膏をはがさせない作戦です。
(今回はお顔なので、常時貼ってあるのを見せるのは難しいですが……)
あとは「寝ている間にいつの間にか貼ってある」作戦とか。
絆創膏からなんとかして気をそらす方法を考えてみることをお話ししているとき……
「あの、たとえば、こういうタイプの絆創膏でもいいんでしょうか」
と、お客様が取られたのは、体液で潤いを保ちモイストヒーリングを行う、ハイドロコロイド絆創膏でした。
「湿潤療法」(モイストヒーリング)とは
ハイドロコロイド絆創膏を用いた「湿潤療法」(モイストヒーリング)は現代の傷の治し方としては主流の治療法です。
きず薬などは一切塗らず、水で流して清潔にした傷の上に貼ることで、そこから出る体液で潤いを保ち、傷を早くきれいに治す方法です。
小さいころからお顔に傷が残ってしまうのはたしかに避けたいところ。
モイストヒーリングができれば、そんな心配も解消できるのですが……
追記
SNSでいただいたコメントでのご指摘で
「虫さされにはハイドロコロイド絆創膏を使用できない」
ということを見落としていることがわかりました。
- にきび、湿疹などと同列に書かれていたこと
- 動物に咬まれた傷などにも使用ができないこと
などもあり、感染の可能性のある傷は、体液を保持することで原因菌の排出ができないことが考えられる、という見解でした。
結果的に、今回のお客様にはハイドロコロイド絆創膏を販売していませんが、今後注意して販売していきたいです。
ハイドロコロイド絆創膏は乳児には使用できない
パッケージの注意書きを見ると、2才未満の使用は避けるようにとの記載。
また、別メーカーのものを見ても3才未満の使用はできないとのこと。
1才のお客様のお子様には使用が難しいものでした。
よく調べたことがなかったため、使用できない理由として
- 大人よりも皮膚が薄く敏感な乳児の肌には不向きなのでは
- 万が一誤飲をしたときのリスクがふつうの絆創膏よりもあるのでは
というカタチで説明をしましたが……
あとから調べると、やはりおおよそそういった理由が挙げられていました。
とくに、ハイドロコロイド素材というものは、肌にぴったり密着するような粘着剤などを使用しているため、赤ちゃんの肌には合わないことが考えられます。
傷を残させないためには、モイストヒーリングは確かに有効ですが、1才のお子様に行うには皮膚科などで相談するのがいいかもしれません。
顔の傷をかかせない工夫を
「なるべく傷口から気をそらすような工夫をするのが肝心になると思います。そのほかにできる対策としては……」
なんとかお客様のお役に立ちたいと思い、知恵と知識を振りしぼる私。
患部を冷やすとおちつくこともある
肌に炎症による痛みやかゆみが起きているとき、水で濡らして冷やしたタオルをしばらく患部に当てておくと、和らぐこともあります。
どうしても痒がるときは試してあげるといいかもしれません。
爪を短く切っておく
とにかくかいたあとに心配なことの一つとして「とびひ」になることだと思います。
手や患部は清潔にしておくことが大切です。
虫よけ対策をする
そもそも虫に刺されないよう、日頃から対策をしておくのもだいじです。
虫よけ成分「イカリジン」は、「ディート」とほぼ同等の虫よけ効果がある上に、年齢制限もなく使用できるので、赤ちゃんも安心です。
できないことの代わりに提案できるものを
お客様は、キャラクターの絆創膏をひとつ手に取り会計されました。
できないことは「できない」という誠実さも必要。
その代わりに何をいくつ提案できるかも必要なのかなと思います。
知識とひらめきを大切に、お客様のためを思った接客ができますように。
それでは、今日も元気にいってらっしゃい~。