1歳を過ぎたお子さまを連れた女性のお客様に声をかけられました。
お子さまの指しゃぶりの癖が直らず、お困りでした。
やめさせる方法、もしくはしゃぶっても害がない絆創膏をお探しです。
目次
しゃぶっても害がない絆創膏とは
「ずーっと指をしゃぶり続けて、指が傷になってしまうんです。それで、絆創膏を貼っているんですけれど」
「はい」
「絆創膏の粘着部分って、子どもがなめても害はないんですか? 一番体に悪くない絆創膏ってどれですか」
うーん……考えたこともない質問で、返答に困ってしまう私。
「一般的な絆創膏に、指しゃぶり防止を想定して作られているものって、そんなにないと思うんですよね。よっぽど、指しゃぶり専用のものでない限り、粘着部分の作りって似たようなものを使っていそうですし、どれといって選ぶものは……」
そうですよね……とお客様。
お客様はもう一人、3歳くらいの男の子をお連れでした。
「この子も小さい頃は指しゃぶりが癖だったんです」
「そうなんですね、今はもうないんですか」
「はい。その時は、指しゃぶり防止っていう、指に塗るクリームみたいなものを使ったらやめたんです」
指に塗るハイテクグッズの存在が明らかに
そんなグッズがあることも知らなかった私。
へ~と思いながらお客様のお話を聞いています。
「そうだったんですね」
「でも今はどこのベビー用品店を探しても見つけられなくて……このお店にもそういうのって、ないですよね」
「そうですね、当店にもそれにあたるような商品は……」
それまで存在も知らなかったものです。
置いてあるはずもありませんでした。
「なにか代わりになるもの、ありますか?」
これまで試した代わりのもの
「今まで何か代わりになるようなものは試されましたか」
「レモン汁を塗ったことがあったんです。すっぱいのは嫌かもと思って」
「私もそれが浮かんだんですけど、だめだったんですね」
レモン汁は味がすぐなくなるようで、しばらくするとまたしゃぶりだしてしまうようでした。
「一度、からしを指に塗ろうかという話をしたんですが、母からやめたほうがいいと言われてしまって……」
辛いものは小さいお子様には刺激が強いものです。
危険なので避けた方がいいと、私もとめました。
「私、そういったグッズってまったく知らなかったんですけど……たぶんそれって、なめると苦いんじゃないでしょうか」
お客様の話から考えた代替品イメージ
私の幼いころの記憶ですが、きせかえ人形の靴など小さな小物は、なめると苦い加工がされています。
これは乳幼児の誤飲を防ぐためにあえて加えているものだということがわかっていました。
「なので、代わりになるもので考えられるとしたらなんですけど……」
- 継続して苦味が出るもの
- 指に塗布が可能なかたちのもの
- 最悪きらいになって食べられなくなっても支障がないもの
この条件にあう「食品」を選ばれるのが安全だという考えを提案しました。
でも、たとえばなにか、が思いつきません。
そこで、女性次長に相談することに。
事情を話し、しばらく考えた結果、ひとつの提案がでました。
「ウコン、はどうでしょう」
「ウコン」の苦みで指しゃぶりはやめられるか
うこん、ターメリックを使うという案です。
カレーのスパイスとして用いることがある食品ですが、たしかに単体では苦味があります。
小さい子供にターメリックは与えてもいいものなのか、対応後に調べましたが、明言する資料はみつけられませんでした。
スパイスも種類や量によっては離乳食完了期以降使用できるものもあるようです。
1歳未満のはちみつのような禁忌もみあたりません。
お子さまの体調を考えながら自己判断で使用するか、という提案です。
そう伝えると、お客様は調味料売場からターメリックをひとつ手に取り、レジへと向かわれました。
接客には子育ての知識も求められる
子を授かったことがない私ですが、適当なことは言えんなと感じながらの接客でした。
自分の経験から言えることがあればよかったですが、なにもわからず力にもなれなかったような印象です。
お母さんは毎日悩みが尽きず、大変なことだろうと思います。
少しでもお役に立てるように、知識を積んでアドバイスしていけたらと思います。
今日も元気にいってらっしゃい~。