お薬の接客をしていると、お客様から聞かれることがあります。
「いちばん強い薬はどれ?」
「どれがいちばんよく効く薬?」
聞かれて困ったことのある登録販売者も多いのではないかと思います。
この世に絶対はない!
と、悟っている私ですが、お薬も同じです。
そこで今日は、こういう時お客様に何を伝えているのかについて書きます。
「治る」「効く」は極力言わないできた
お薬をすすめるとき、そして実際に冒頭のようなことを聞かれたとき……
私は安易に「効く」などという言葉を使わずに接客しています。
「治る」は論外。
ほとんどが対症療法である市販薬に、それを伝える機会はないですね。
私はこういうとき、そのお薬の「メリット」
そして「デメリット」について説明します。
この鼻炎薬は即効性が特徴だけど、喉が渇気やすく眠気も出ます。
この頭痛薬は作用は穏やかだけど、熱や痛みに広い場面で使えます。
お薬には目的である作用(主作用)に加え……
意図しない別の作用(副作用)が現れることもあります。
そういったことも含めて「メリット」が「デメリット」を上回るのであれば……
そのお薬は選択肢にもなり得るのかなと思いながら提案しています。
効くと言わないのははぐらかしではない
資格者がはっきりと「効く」と言わないのは……
けっしてはぐらかしているわけではありません。
同じお薬を10人が飲んでも……
全員が同じ結果を得られるわけではないのが医薬品です。
それは体質や、その日の体調が影響することもあります。
既往歴に左右されることもありますし、飲み方ひとつでも変わります。
いろんな可能性が考えられるし、それが予測できないからこそ……
100%「効く」という言葉は出せない、というのが真実です。
「効く」と思って飲むくすりがイチバン「効く」
とはいえ、なんですよ……
「効く」とは言わず、お客様に「デメリット」なども伝えつつ……
お客様にはそのお薬が「効く」と思って買ってもらわにゃならんのですよ。
「効くかもわからない」お薬を飲むよりも……
「効く」と思って飲んだお薬のほうが、効くんです。
では、そのお薬が「効く」と思ってもらうのにはどうしたらいいか。
それは、何かを伝えるよりも先に、お客様の話を「聞く」のが近道だと思います。
お客様の話を聞いて、症状や事情を汲み……
そして心の動きを観察する。
感情をもつ人間を相手にしている仕事ですから……
その人をよく見て、提案したいと思ったお薬こそ「効く」のでは。
そう感じます。
なにを伝えるのがお客様の安心に繋がるのか
まあ「いちばん効くくすりを〜」なんて聞くお客様に限って……
せっかちな人も多いので、ゆっくりお話を聞くのが難しいこともあるかもですが。
そういうのも含めて、その人の心の動き、感覚を見て……
「効く」というよりも効きそうな、その人への言葉を探していければいいな〜と思います。
今日はここまでです。
すてきな1日になりますように〜。
いってらっしゃい!