「子どもに飲ませたいんですけど、飲んでも大丈夫でしょうか」
と、40代くらいの女性のお客様。
手にされていたのは、亜鉛のサプリメントでした。
お子さまは中学生の男の子でした。
小児と亜鉛の摂取
小児は飲めないんじゃなかったかな……
と、思いながらパッケージの表記を探ってみると、やっぱり乳幼児、小児の摂取を避けるように書かれています。
お客様にはその旨をお伝えしました。
亜鉛の摂取量は年齢によって変わる
成人と比べて、小児の亜鉛の摂取量はほんのわずかになります。
一時的な摂りすぎはただちに影響はないかもですが、過剰な摂取は銅の吸収の減少など、なんらかの健康被害が出るともいわれます。
牡蠣やチーズなど動物性の食品に多く含まれますが、ごまなどの植物性の食品でも摂取することができます。
「お子さまの亜鉛の摂取には、こういったサプリメントには頼らず、日頃の食事からでも十分に摂れるかなあ、と思いますよ」
「そうですか……本人は背が低いのを気にしていて、調べたら亜鉛を摂るのがいいからって言われて、見に来たんです」
亜鉛の効果
亜鉛はからだの酵素を正常に働かせ、サポートするための必須のミネラルです。
いろんなサポートをしますが、たとえば
- 味覚を正常に保つ
- 皮膚や粘膜の健康維持をたすける
- 生殖機能を改善する
などなどがあげられます。
たんぱく質の合成にも欠かせない成分で、たんぱく質といっしょに摂取することで、体の新陳代謝を高めるはたらきもあります。
あとで調べてみると、たしかに成長期の子どもに大切だという記事がよく見受けられます。
こういった情報を、お客様のお子さまは、身長を伸ばすことに必要だと解釈したのでしょうか。
亜鉛の効果的な摂取
上にも書きましたが、小児の亜鉛の摂取は日頃の食事からの栄養で十分得られます。
牡蠣やお肉、チーズなどの動物性の食品に多く含まれます。
わずかな亜鉛の吸収を高めるためにはビタミンCやクエン酸といっしょに摂ることがすすめられています。
お肉料理にレモン汁をそえたりしてもいいかもしれませんね~。
身長が低いことを悩むお子さまへ
と、亜鉛の摂取について答えられるだけの情報をお答えしました。
とはいえ、身長が低いことでお悩みのお子さま。
年頃なのもあるでしょうが、こうしてご自身で調べるほど気にされているあたり、ご本人にとっては深刻なお悩みだと思います。
「身長が低いことでなにか病気とか、病院にかかったりとか、そういうことはあるんでしょうか」
「あんまりにも低いとなると、低身長や、成長障害などの疑いも考えたりもしますが、お客様から見て、お子さまはそういった可能性は見られますか」
「私から見たらそこまでには思わないんですけどね……」
平均より、少し低いというだけでもご本人は気になるんだと思います。
身長ってほしいですよね。
私もあと5cmは伸びる予定(自分の中で)だったんだけどなあ~と思ってました。
なかなかかける言葉もありませんでしたが……
私の知り合いの中では、ずっと背の順で一番前付近だった男の子が、ハタチに近くなるころにぐっと身長が伸びたりする人もいました。
男の子はまだ、これ以上伸びないということも決まっていないと励ましました。
もっと寄り添うような接客がしたい
お客様はそれを聞いて帰られましたが、もっとなにか声をかけられなかったかな~と今でも悩み中です。
お客様とまったくおんなじ気持ちになることはできないかもしれないけれど、できるだけ同じ目線で、いっしょに悩んで考えてさしあげたいな~と思うのでありました。
知識だけでも蓄えて、いろいろ提供できるようでいたいですね。
それでは今日も素敵な一日になりますように。