母と散歩をしていたときのこと。
「なんかたのしい仕事ないかなあ」と、母。
「どんな仕事がいいの」と私が聞くと……
「重い荷物を持たなくて、立ち仕事じゃなくて、接客業じゃないやつ」とのこと。
じゃ、ドラッグストアじゃない方がいいね! と、二人で笑いました。
重い荷物を持ったことも、立ち仕事も、接客業もやったことのある母。
ときどき、母の昔の仕事の話などを聞きますが、ためになることも多く……
とくに、接客をおもにしていた頃の出来事や考え方には、自分の仕事ぶりさえも振り返させられます。
お客様からの評判もよかった母の接客こだわりエピソード
扱う商品がら、自分よりも年配のお客様を相手にすることが多かった母の仕事。
同じ仕事で、営業も事務も経験してきた母。
お客様である以前に、歳上の人は目上であるという意識がはたらき、使う言葉、言い方などに気を遣っていたといいます。
耳が遠いお客様への対応
私がもっとも苦手とする接客のひとつでもある「耳が遠い人」への対応。
声を張り上げることをすると、どうしても威圧的になってしまいます。
「大きい声で言うんだけど、怒鳴らない。やさしく言ってあげるのがいいね」
昔、母の祖父も耳が遠く聞こえにくい人だったようで、耳元で大声で話したところ……
日頃まったく怒らないおじいちゃんが「なにを怒鳴ってるんだ!」とすごい剣幕で怒りだしたそう。
それ以来、お年寄りに話しかけるときは、とにかくやわらかい口調で、やさしく話しかけるように心がけていると言っています。
お客様に対して絶対言わないワード
母はお客様を相手にするにあたって、ぜったいに使わない言葉を決めていました。
いくつかある中で、これはと思ったワードが……
「ですから」「先程も申しましたが」
言われるとたしかに気持ちのよくないワードですが、けっこう使ってしまいがちなのか、耳にすることがある気がしています。
「この言葉が出るときって、ぜったい怒ってるときじゃん。お客様に怒っちゃだめでしょう」
言ったことを理解してもらえない、というのは、たしかにイライラするかもしれませんが……
自分の説明がうまくないのだと考えて、言い方を変えてみる方が効果的かもですね。
この言葉を使わずに、お客様に大切なことをしっかり伝えてみたいものです。
お客様あっての自分の仕事だという意識ってやっぱり大切
「お客様は神様だ!」という精神は古い、となりがちな現代ですが……
そもそも「お客様」対「販売員」という考え方以前に「人」対「人」であることだということ。
目の前の人を思い、大切にすることって外せないことです。
「お客様は神様じゃないから大切にしなくていい」わけじゃないんですよね。
自分をたよって来てくれたお客様がいるからこそ、自分の仕事が成り立つんだと、母ははっきり言いました。
私も気をつけていかなければと思います。
そんな母、小さな部屋で机に向かって何かを作る仕事がいいとか言いだしています。
なにを作るのがいいんだろう……そんな仕事、みつかるといいね。
それでは、今日も元気にいってらっしゃい〜!