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医薬品 接客

「視界がぼやける」お客様に聞きたいことと提案

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ここ最近、たまたまかもしれませんが目薬のご案内が多いのです。

先日も、40代後半くらいの男性が「視界がぼやける」という症状でご相談を受けました。
この男性に限らず、似たような症状を訴えられることは多々あります。

目薬選びをするにもたくさんの商品があります。
ざっとお客様の症状を聞いたあと、大まかな症状に合わせた処方のものをご案内し……
あとは「価格」や「清涼感」などお客様のお好みに合わせて選択肢をしぼる方法をよくとっています。

それにしても、この「視界がぼやける」系のご相談の場合、いろんな原因を考えるので、判断に迷うことがあります。
私たち登録販売者は、病気の診断はできませんが、できる限りの原因追求をし、対策などのアドバイスをしています。

「視界がぼやける」お客様にお尋ねしたいこと

「視界がぼやける」あるいは「目がしょぼしょぼする」という表現をする人もいらっしゃいます。
とくに40代以上のお客様から、そういった相談を受けると、パッと浮かぶ原因は……

「眼精疲労」「老眼」「その他何らかの病気」などが想像できます。

基本的に何でもなければ「疲れ目」の目薬をお選びして終わりにしますが、もう少しお話を聞いて判断したいと思います。

肩こりや腰痛は伴うか

「目がぼやけるときって、1日中ずっとな感じですか。朝よりも午後になると調子が悪かったり、肩こりや腰痛が伴ったりはしませんか」
「腰は痛いかな。なにしろ細かい文字を読もうとするとぼやけて見えにくくて疲れるんだよ」

というような会話がくり広げられることがよくあります。
これは「眼精疲労」の可能性を思った上での質問になります。

これは、視界がぼやけていて、よく見ようとすることから肩などの体がこわばってコリとして現れるとか……
はっきりした原因はわかっていないようですが、長時間のデスクワークなどで起こりやすかったりしますよね。

視界の一部が欠損することはないか

「視界がぼやけるのは、全体的にボワ〜って感じでしょうか。視界の一部が欠けてしまっていたり、見える幅が狭まっていたりとか、そういう感じではありませんか」
「そういう感じではないね。全体的にぼやけて見えない感じだよ」

もし、急激に視界が閉ざされたようなことをお客様が訴えていた場合……
「脳梗塞」などの緊急性の高い病気の可能性があるので、こうした場合は市販薬で対応できるものではありません。

黒い虫が飛んでいるようなものが見えるか

「視界に虫が飛んでいるようなものって見えたりしますか」
「あ〜、あるかも。見るものを変えても、ずっと視界にあるというか、追いかけてくるようなものは見えているよ」
「ああ、そうなんですね。視界のぼやけとは関係ないかもですが、一度眼科さんで原因を調べてもらうといいかもしれません」

人によって、形や大きさや見え方にちがいはあるようですが……
ものを見ているときに黒い虫のようなものが動いて見える「飛蚊症」という症状があります。

これは、加齢によって起きる場合と「網膜剥離」が原因で起きる場合があります。

加齢によって飛蚊症が現れているのなら「ぼやける」のも年齢なのかな、と思いたいですが……
こういった症状があると相談があった場合は、眼科の受診をおすすめした方が無難かもしれません。

遠くから近くを見たときのピントはどうか

「いま、遠くの棚の方を見て、パッと手元の商品を見たときに、ピントはすぐ合わせられますか」
「全然だめなんだよ。とにかくピントが合わないし、まいっちゃうよね」

そもそも、細かい文字が読みにくかったり、このように遠くの景色から近くのものへ視線を動かしたときに、ピントを合わせるのに時間がかかるのは「老眼」の特徴だったりします。

「老眼」なのに老眼鏡を使わなかったりして対策を取らないと、そこでまた「眼精疲労」の原因を作ってしまうことにもなってしまいます。
(自力で見えないものを見ようとする、という点においてってことですね)

目薬の商品名で「○○40」とある、この「40」は、40歳の40と言われています。
それだけこの年齢は、目にとって影響のある年齢という意味でもあるので、無理をしないことは大切なのかもしれません。

お話を聞いたうえで実際に提案したことのある内容

ということで、こんな感じでいろいろとお客様に聞いた上で、お薬をお選びすることもあればそうでないこともあります。
実際に「視界がぼやける」と訴えてきたお客様に対して提案したことのある内容はこちらです。

「疲れ目」の目薬を提案し改善しない場合は眼科受診

「年齢による老化が疲れ目をさらに引き起こしているかもしれませんね。疲れ目の目薬はこちらになりますが、これらをさして数日しても改善されないようであれば、眼科を受診してみてください」

傷ついた神経を修復するビタミンB12や、ピント調節機能を改善するネオスチグミンなどが入った目薬を選択。
医療用としても使用される成分たちになりますが……

市販薬で改善されない場合は、より詳しく原因を探るためにも眼科の受診をおすすめします。
自分に合ったメガネなどの矯正器具を作るのにも、受診はいい選択かもしれません。

視界自体が狭い、瞳の白濁などが見られる場合は受診勧奨

水晶体が濁ってしまうことで、光がうまく届かなくなって視界がぼやける「白内障」
また、前章に書いたような視界が狭まる症状が見られる「脳梗塞」などの緊急性の高い病気などは、受診を即刻すすめます。

これらは、ドラッグストアなどで売られる市販薬では対応できません。

腰痛などが伴う場合は血行促進成分配合のビタミン剤も提案

「血行が良くなると、体全体がほぐれて痛みが改善されることもあります」

肩や腰がこって痛みが伴うともなると、体の血行も悪くなっている可能性があるため……
血行を促進するようなビタミン剤や栄養ドリンクなどもプラスしておすすめすることもあります。

疲れた目をほぐすためにあたためた濡れタオルをまぶたに当てる

「ほぐれるという意味では、目をあたためるとリラックスもできるし、疲れ目の改善にもなります。市販のグッズでもいいですが、おすすめはレンジでチンした濡れタオルです」

水で濡らしたタオルを1分ほど電子レンジで温めて、まぶたの上に置きじっとすると……

ほわ〜っとなるような、心地よさを感じます。

タオルはビニール袋やラップで包むと、びたびたしなくていいですね。
熱ければいいわけではなく、やけどの原因にもなるので熱すぎたらまぶたから外して冷ましてください。

「なるほど〜、濡らしたタオルね! 帰ったらやってみるよ。ありがとう!」

「ただの疲れ目」と過信せず対策むなしかったら眼科を受診して

ということで……
ひとこと「視界がぼやける」と言ってもいろんな症状や原因があります。

「きっと日頃の疲れの積み重ね……」と、自分の症状を過信せず、おかしいなと思ったら病院を受診していただきたいなと思います。

もちろん本当に「疲れ目」であれば、市販薬も医療用に劣らず優秀なお薬がたくさんありますので、活用していただければいいですね。

それでは、今日も元気にいってらっしゃい〜!

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