薬を飲むときに使うゼリー状のオブラートが人気です。
以前はシートのオブラートを探される方が多くいらっしゃいました。
つい最近まではそう感じていましたが、ここのところはほとんどのご案内がゼリーの方です。
お年寄りの使用が増えてきている印象です。
もちろん、お子さまがお薬を飲むときにも使用されています。
お子さまに好きな味を選ばせる人もいらっしゃいますが、どれが一番いいか聞いてくださるお客様もいらっしゃいます。
先日も、オブラートの場所を尋ねられた若い男性をご案内しました。
「小さい子どもがくすりを飲むんですけど、どれがいいと思いますか」
お子さまはちょうど2才になったばかりだそう。
ゼリーは大人の管理のもとであれば、離乳中期頃から使用が可能でした。
「どんなお薬を飲まれますか」
と、お客様に尋ねると薬剤情報提供文書を見せていただけました。
風邪によく出されそうなお薬でしたが、私が見たかった部分はひとつです。
「抗生物質が出ていますね。病院の先生は何か飲み方で工夫することはおっしゃってましたか」
「いや、ただ苦いという話はしていました」
「そう、苦いのです。抗生剤は酸味があるものや他のお薬と混ぜると苦味が増しますから、避けて飲ませた方がいいですね」
本来ならたしか抗生物質を飲ませるためのチョコレート味のゼリーが販売されているのですが、私の会社では取り扱いがありません。
フルーツ味の他のゼリーでも、飲ませられないことはないとは思いましたが、くすりが舌に触れたときに苦味が強いのではと感じました。
「今まで抗生剤を飲ませたことはありますか」
「ありません。病院でもらう薬はこれが初めてです」
「わかりました。他の薬はどのゼリーを選ばれても問題ありませんが、こちらの抗生剤に関してはもう少し工夫をして飲ませてあげた方がいいかもしれません」
ということで、抗生物質をお子さまに飲ませる方にご案内している方法です。
これは薬局時代にいっしょに勤めていた薬剤師さんが、お子さまにお薬を提供する際に勧めていた方法でした。
それは「チョコレートアイスに混ぜる」ことです。
やっぱりチョコレートが一番苦味を隠してくれるのと、お子さまも特別感があるし、おいしいので嫌がらず飲んでくれることが多いのがこの方法です。
アイスクリームに混ぜること、食べさせることに抵抗のある家庭もあるかもしれません。
でも、最悪失敗してチョコレートアイスが苦手になったとしても、生活に影響ありません。
間違ってもミルクなど日頃から食べたり飲んだりするものに混ぜてはいけません。
今度はミルクなどの食事が苦手になってしまい困ってしまうことになります。
「私が知る抗生物質の飲ませ方の中でも、一番成功率の高いやり方なので、ぜひお薬が苦手になる前に試してみてください」
「わかりました。どうもありがとうございます」
そう言ってお客様はアイスクリームの売場の方へと歩いていかれました。
お薬を飲むのが苦手な小さいお子さまがいらっしゃるお宅は、すでにいろいろとチャレンジしているかもしれません。
ですが、お子さまご本人も風邪でテンションが下がっているでしょうから、このアイスクリーム作戦でちょっとわくわく感を演出してみてはどうでしょうか。
気持ちが上向けば、きっと早くよくなりますよ〜。
今日も一日がんばりましょう。