医薬品売場で作業をしていると……
便秘薬コーナーでいろんなお薬を手に悩まれている50代くらいの女性のお客様が。
しばらく様子を見ていましたが、どうにも決めかねているようなので、お悩みですか、と声をかけてみました。
「4、5日くらい全然出ていなくて、どれがいいかなと思っていたんです。これとかどうなんでしょう」
と、手にされていたのは、大黄甘草湯の漢方薬でした。
「便秘にはなりやすい方でしょうか」
「あんまりなったことはありません」
「なにか生活習慣で変わったことはあったでしょうか。便秘になるような心当たりとか」
「自分ではわからないんですが……寒くなってきて、水を取る量が減っているかもしれないです」
「なるほど」
「もう出なさ過ぎて、ちょっと具合が悪い感じもします。どうしたらいいですかね」
手に取られている大黄甘草湯について説明します。
「そちらの漢方薬は錠剤なのですが、少ない錠数から調節して飲めるので、はじめて便秘薬を飲まれる方にもよく選ばれますね。ただ、刺激性のお薬なので、ちょっとおなかが痛くなるかもしれません」
「そうなんですね……他にはいいお薬、何かありますか」
「おなかが痛くなりにくいお薬だと、酸化マグネシウムなどの、便の水分を増やして出しやすくしてくれるようなお薬があります。あとは繊維性の便秘薬ですね。こちらは水分で膨らむことで、便のかさを増やして出させるようなお薬です」
と、お客様、繊維性の下剤を手に取り、眺めます。
同じシリーズでいくつか種類があるもので、これとこれは同じ名前だけど何が違うんですか、と尋ねられます。
「ひとつは乳酸菌が入っているかどうかだということです。おなかの中のいい菌を増やすことで、腸内環境を良くして、便通を正常にしてくれるような感じと、繊維性の下剤の組み合わせです」
「そうなんですね」
「あと、こちらのお薬には肌荒れに効果のある成分が入っていますね」
「なんだかよさそうだからこっち(乳酸菌入り)を飲んでみようかな……」
「お客様は先程おっしゃられていましたが、お通じに水分補給ってすごく重要なんです。で、そちらのお薬も、水分を十分にとることで、かさが増して効果を得られるものなので、ぜひ意識してお水を取るようにしてください」
「わかりました」
「お薬を飲むときもコップ一杯の水をいっしょに飲み切ってください。あと、起き抜けに必ず一杯の白湯を飲む習慣をつけるのも、お通じをよくするのにきっと効果があると思うので、ぜひやってみてください」
「はい。どうもありがとうございました」
今回のお客様は、水分補給の不足をご自身で自覚されていましたが……
寒くなってきて体を動かしにくくなってきたことによる運動不足や、お手洗いを我慢したりなど、ちょっとしたことがもしかしたら便秘に繋がっているかもしれません。
私は便秘薬をあまり売りたがらない人間なので、特に思うのですが……
やっぱり生活習慣の意識的な改善は、重要なことだと思います。
お薬以外の解決方法は、どんどんアドバイスしていきたいですね。
お薬は、飲まないで済むのに越したことはないのですから!
今日もお客様のためを思った接客ができますように。