50代くらいの男性のお客様に尋ねられました。
皮膚薬のご相談で、手には商品をお持ちでした。
「以前、くすりの相談を別の人にしたんだけど、そのときにこれをすすめられて」
「はい」
「ほかのとどうちがうのかな、というのが聞きたいんだけど」
お客様は、別の日に別の資格者に相談後、お薬を買われず、再度相談をしてきているようです。
お客様の症状を再度確認
お客様は、ひどい顔の肌荒れに悩んでいるご様子でした。
「口のまわりが荒れてヒリヒリするというか、どうにかしたくて相談したんだけど」
「ここ最近はマスクによる肌荒れの相談も多いです。お客様も原因はそのようにお考えでしょうか」
「それもだし、ヒゲも剃ったりするから、余計に悪化させているような気もして」
そこで前回、別の資格者にすすめられたのが、顔やデリケートな部分にも塗れるクリーム剤でした。
「患部がお顔であることに対して、ステロイドなどの成分が処方されていないお薬を選んでいる部分で、適切な選択だと思われますよ」
類似商品とのちがいを説明
「ほかにもいろんな商品があるけど、それとは何がちがうの?」
たとえばこれとか、と、差し出された商品も、別の資格者が紹介した商品と同じく「マスクによる肌荒れに」などと謳っているパッケージです。
「若干、成分のちがいは見られますが、基本的な処方とアプローチは同じと考えていただいていいです」

こうした商品の成分は大きく「かゆみ止め」「炎症止め」「皮膚の組織修復」で分けられます。
とくに炎症をおさえる成分にはほとんど変わりがなく、皮膚の炎症がひけば、自然とかゆみや痛みもひくだろうと考えられます。
「ということで、基本的にこのあたりの皮膚薬は、ステロイドも使用されておらず、比較的穏やかな効果で皮膚を治癒していくものになります。かゆみ止めの成分にちがいが見られますが、そうちがいは分からないでしょう」
なぜこの商品をすすめたか
「では、なぜそう効果のちがわない商品の中から、このくすりを一番に推してきたんでしょうか」
ちがいがあるお薬であれば、そのアプローチによって選択肢をあえて増やすこともあります。
こういうこともできます、ああいうこともできます、どっちの方がいいですか、と。
でも、このようにどれをとっても同じような処方のくすりであれば、私もあえてたくさんの選択肢を出しません。
こちらのお客様は、では何が決め手でたったひとつこのお薬を提案したか、が気になるようでした。
別の資格者がどういう意図ですすめたか、本当のところはわかりませんが……
「私もこちらの商品をおすすめします。なぜなら、圧倒的にコストパフォーマンスがいいからです」
たとえば、お客様が比較で出してきた皮膚薬Aは、10gで900円するものだったとすると……
同じような処方で資格者が提案した皮膚薬Bは、20gで1000円くらいのちがいでした。
「同じようなものをすすめるとして、選択肢を絞るとなると、あとは価格になってきます。まったく同じ効果が得られるんであれば、コスパの良いものを選ぶかな〜て感じですね」
ほかに選択肢があるとしたら
どうしても、他の選択肢がないかと聞かれたら……
肌荒れの原因にもよるけれど「乾燥」によっても肌が荒れることが考えられます。
とくに、マスクによる肌荒れであれば、マスクをつけた時のこもった空気と、外した時の外の空気との湿度の差に耐えられずに荒れることもあると聞きます。
「なので、肌荒れの予防のために、くすり以外の選択肢として化粧水や乳液などの基礎化粧をしっかりするという対策もあります」
基礎化粧をしっかりすることは、マスク肌荒れのほかにも、カミソリ負けにも効果的だったりするので、顔の肌荒れでお悩みの人にはもれなくおすすめしています。
少しでも不安を拭うことができてよかった
けっきょくお客様は、最初に別の資格者が選んでさしあげたお薬を買って帰られました。
せっかくのいい選択を、納得して帰ってもらえなかったら、もったいないところでした。
このように、一人の資格者の回答だけでは不安で、もう一人にも同じことを尋ねるお客様も中にはいます。
そのときは、お客様が何を不安に思っているのかをよ〜く聞いてさしあげるといいかもですね。
今日もお客様のお話を親身になって聞きたいと思います。
それでは、元気にいってらっしゃい〜!