東京・JR新宿駅には、市販薬の自動販売機が試験的に置いてあるらしい。
そんなハナシを、この山梨の片田舎でも聞いていました。
先日、東京方面に用事ができたので、通過点である新宿駅で一旦降り立ち……
ほんとうに「自動販売機」があるのか探してみることにしました。
果たして、自販機に出会うことはできたのでしょうか!
目次
そもそも「クスリの販売機」とは
「クスリの販売機」は、製薬会社の「大正製薬」が開始した実証実験です。
JR新宿駅の構内に設置された、市販薬の自動販売機。
かぜ薬など30品目を販売する、国内初の試みです。
先月5月末から設置を開始し、予定では8月末までの3ヶ月間販売すると言われています。
日本では、一般用医薬品(市販薬)は薬剤師や登録販売者のお薬の専門家がいるもとでしか販売できません。
果たしてどういったからくりで販売しているのでしょうか。
実際に、新宿駅を歩いていると……
「クスリの販売機」は南改札付近にあった
じゃーん!!
みつけましたよ〜。
こちらが実際の「クスリの販売機」です。
大きな画面には、市販薬が30個、たしかに表示されています。
その上には小窓が……
カメラですね。
お薬を選ぶ画面には商品を指名買いする「商品からえらぶ」画面と……
自分の状況から選択できる「症状からえらぶ」画面があるようです。
ここにきて実ははじめて気がついたのですが、実験もとが「大正製薬」のため……
「クスリの販売機」には大正製薬のお薬しか並んでいません。
もしこの実験が成功して、各地に自動販売機が置かれるような状況になれば、参加する会社も増えるのでしょうね。
ジュースの自販機みたいに、会社ごとで自販機を作ることになるのでしょうか。
なんだか不思議な光景ですね。
「クスリの販売機」で胃腸薬を買ってみた
ということで、行きの電車の中でおやつを食べすぎてちょっと胸焼け気味なのもあり……
さっそくこの「クスリの販売機」で、胃腸薬を買ってみることにします。
「症状から」えらんでみた
「症状からえらぶ」の画面にするとこんな感じ。
だいたいの症状が8項目に分かれて分類されています。
私の場合、胸やけを感じているから「おなか・おしり」になりますね。
選択すると、さっきの30品目から、その項目に沿ったお薬だけが表示されるようになっています。
お薬の注意事項が表示される
胃腸薬を選択すると、添付文書に書いてありそうな注意事項が表示されます。
効能、用法・用量、そのほかの注意ですね。
何画面かに分けて表示され、読んだら次へ進む感じで見ていきます。
「お薬の相談があるなら店舗に行ってね!」的な項目もありつつですが……
そのまま進んでみますと、いよいよ購入段階です。
決済は交通系ICカードでのみ
「クスリの販売機」右下に決済するところがあります。
決済は交通系ICカード(SuicaとかPASMOとか)でしかできません。
現金、クレジットカード、コード決済は不可です。
タッチすると、すぐに決済されレシートが出てきます。
すると……
市販薬がほんとうに買えた!
「クスリの販売機」の下がピカピカ光るなあと思って目を移すと……
あ! お薬が、ある! いつの間に!
手を伸ばすと、なんかひんやり〜。
お薬は自販機の中で冷やされているのですね。
たしかに、品質を保つ上では重要かもしれません。
ということで、ほんとうに、自動販売機で市販薬が買えてしまいました。
この間に、誰か人間が介入した様子はありません。
専門家のもとでしか市販薬が買えない日本で、こんなことありえるんでしょうか。
「クスリの販売機」の傍にはドラッグストア
そのヒミツは、こちら。
「クスリの自販機」の設置場所の近くには、駅構内のドラッグストアがちゃんとあります。
実は、私が「人間の介入がない」と感じていたその間にも……
こちらのお店の資格者の人が、専用端末を通してばっちり私のことをチェック。
「この人にはお薬を販売してもよさそうだ!」と資格者の人がちゃ〜んと判断した上での販売の仕組みとなっています。
たとえば、濫用の可能性のある成分が入っているお薬を、同じ人が何回も購入できないようになっている、ということ。
きっと、自販機の上のカメラはそのためですね。
ちなみにこの「クスリの自販機」は一日中稼働しているわけではありません。
販売時間は10時から18時。
もちろん、ドラッグストアの営業時間内です。
なので甲府へ帰るため再び新宿駅を訪れたときには電源がオフってありました〜。
便利だけど疑問点不明点は専門家に頼るべし
こんな感じで、市販薬の自動販売機「クスリの販売機」で、ほんとうにお薬が買えました。
今後、この販売形式が当たり前のようになってくれば……
「いつものお薬」などの指名買いをする人にとっては購入までの工程が短縮されて便利かもしれません。
今後もっと安全性の高い販売方法に改良されていく可能性もあるでしょう。
ただ、やっぱり少しでもわからないことや知りたいことがある人は、専門家である資格者を頼っていただきたいな〜と思いますね。
機械はその人の現在の症状を理解したり、既往歴などのデータを分析したりすることはできるかもしれません。
でも人は、目の前の人の「症状の改善」の向こう側の、個人的なほんとうの目的や、理由や事情などを汲み取って、選択することもできます。
お薬だけにとらわれない、最適なアドバイスができるのも、きっと人の役割。
相談料もかからないし、ぜひお気軽にお薬や健康について、相談していただきたいな〜。
もっと話しかけやすい資格者になれるよう、がんばります!
それでは、今日も元気にいってらっしゃい〜。