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医薬品 接客

忘れないで! 鼻炎薬選び、絶対する質問

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「鼻炎のくすり探してるんだけど、どこにある?」
と50代過ぎくらいの男性のお客様。
「ご案内します。花粉症ですか」

花粉症でくすりを飲むのは初めてではないそうですが、今まで飲んでいたお薬が何かは覚えていないようでした。
ということでお薬の特長をざっと説明するところからです。

「こちらの棚にあるのは病院でも処方される成分と同じタイプの鼻炎薬です。眠くなりにくく、のどが渇きにくいのが特長ですが、効果が現れるのに時間がかかるので、花粉症の症状の出始めから飲み続けていただくのがおすすめです」
「眠くなりにくいのはいいね」
「そういって選ばれる方は非常に多いです。そして、こちらにある鼻炎薬たちは、いわゆる今まで市販で売られてきたタイプのものになります。飲むとわりと短時間で鼻の通りがよくなったりするので、先程のくすりに比べては速効性があるタイプになります。ただ、眠くなったり、口の中が渇いたり、副作用が現れやすいものでもあります」

ここまで説明しますが、お客様は自身のお薬を思いだす様子がありません。
なので、くすりのご希望をうかがうことにしました。

「お客様は今まさに鼻炎の症状を感じていらっしゃる状態ですが、たとえば多少眠くなったりしてもいいから今すぐ症状を何とかしたい状況ですか」
「うーん、そうだねえ」
「いや、眠くなるのはちょっと……ていう場合は、ひとつ提案があるのですが。眠くなりにくい成分のくすりを使用しながら、一時的に点鼻薬を併用するという手がございます」
「点鼻薬ねえ」
「症状がつらいときに、点鼻薬でおさえながら、飲み薬の効果が出るまで待つのです。ただ、2週間は続けられた方がいいかなあと思うのですが」
「ちょっと面倒くさそうだね……点鼻薬はいいや」
「かしこまりました。ではふつうの鼻炎薬でお選びしたいと思います」

と、言った時点で、大切な質問を忘れていることに気がつきました。
「確認ですが、いま何か病院で処方されて飲み続けているお薬はございますか」
「うん、血圧の薬を飲んでいる」

血圧。
くすりを選ぶ手が止まります。

「そうでしたか、お客様……はじめにお尋ねするべきでした。これらの鼻炎薬、高血圧のお客様には不向きな成分が使われているものがほとんどになります」
「え、そうなんだ」
「とくにエフェドリンという成分が、血圧の上昇を招くおそれがあります。資格者と相談の上、飲んでもいいとされるものもありますが、中には絶対に飲んではいけないものもございます」

困ってしまったお客様、どうすればいいのか尋ねられます。
「私としては、そうした注意書きがない、はじめにご紹介した鼻炎薬たちを一番におすすめしたいです。効果が現れるまでには時間がかかりますが、一番リスクが少ないですし、花粉症の季節はこれからまだ続きますので」
「そうだね。じゃあ、こっちのくすりにしておくよ」

服用回数の希望をお伺いし、少なければ少ない方がいいということで、エピナスチンのお薬を選択。
寝る前の服用をすすめましたが、いますぐ飲みたいということなので、毎日必ず同じくらいの時間に飲むようにという指導をしました。

「それから、もし来年以降鼻炎薬を買われるのであれば、ぜひ症状が出る前から飲み始めてみてくださいね。症状が出るころにはくすりがよく効いていて、快適に過ごせるはずですよ」
「そうします。どうもありがとう」
「おだいじになさってください」

高血圧のほかにも、

  • 心臓病
  • 甲状腺機能障害
  • 糖尿病
  • 前立腺肥大による排尿困難

などの症状があり、お薬を処方してもらっているようなお客様は、鼻炎薬選びに注意したいところです。
お客様の安全を考えたお薬選びを考えていきたいですね。

今日もお客様のことを思いながら接客ができますように。
元気にいってらっしゃい。

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