「お姉ちゃんさ、大事なところがかゆいんだけんど、なんか薬ある?」
40代くらいの男性のお客様です。
冷やかしかと思えば、わりと本気で困っている様子なのでお話を聞くことに。
かゆみの原因はなにか
「いつごろからかゆいんですか」
「ここ最近なんだよね~。あったかくなってきたから、蒸れてるのかなあ」
「そういうこともありますね。しっしんとか、なにか目に見える症状は出ていませんか」
「しっしんとかはないかな。ないとなんかある?」
「なければ蒸れとかのかぶれかもですけど、もし発疹とか水疱とかできていたら、感染症を疑った方がいいですから、病院をおすすめしています」
デリケートゾーンのかゆみの原因は「かぶれ」と「感染症」に分けられます。
かぶれとは
「接触皮膚炎」といって、いわゆる外部刺激による炎症のことをいいます。
汗やムレ、逆に乾燥とか、アレルギー反応などもこれに当てはまります。
感染症とは
真菌や細菌による症状です。
カンジダ症とか、いんきんたむし、性器ヘルペスなどがあげられます。
性行為による感染とも限らなくて、公共のものや場所でうつったり、常在菌として体内に潜む菌が起こしていたりもします。
デリケートゾーンのくすりのちがい
デリケートな部分の塗り薬として取り出したのは3つのくすりです。
「3つもあるの? なにがちがうの?」
と、お客様。
「まず、同じシリーズのこの2つですが、メントールが使われているか、そうでないかがちがいます」
「入っている方がよく効くってこと?」
「いいえ、メントールは、すーっとする清涼感を演出するものなので、すーっとした方がいいのであれば、こちらを」
なるほどー、とくすりを見比べるお客様。
蒸れている気がするから、すっとした方が気持ちいいかな、とお悩み。
「こっちのくすりは何がちがうの?」
と、もうひとつのくすりについて尋ねられます。
「こちらのお薬は、局所麻酔、といって、こう、部分的な痛みを取り除いてくれる効果がある成分が追加された感じです。その代わり、こちらには炎症をおさえる成分が入っていません」
「え、どっちが入っていた方がいいで?」
感覚的な話になっちゃいますけど……と前置き、
「炎症をおさえることでかゆみが抑えられる可能性もありますが、局所麻酔の成分の方がより、痛みやかゆみそのものにアプローチをかけてくる成分ではありますね。もし、皮膚に炎症が起きていて赤くなっているとかでなければ、私はこっち(局所麻酔の方)を選んじゃいますかね……」
と、答える私。
感染症の疑いを感じたらすぐに病院へ
再び悩みだしたお客様。
自身でかきむしって赤くなっているのが気になるようで、あまりすーすーするのもなんとなく嫌なのか、結局一番最初に紹介したメントールの入っていない方のくすりをお選びに。
「5~6日くらい使ってみて、あんまりよくならないようじゃすぐ病院行ってくださいね。とくにカンジダの場合は殺菌成分が他の雑菌殺して、真菌を増やす原因になっちゃうので。余計悪くしちゃう可能性がありますから、様子見て、だめなら病院、です」
「は~い、どうもありがとうね!」
「おだいじにどうぞー」
予防や対策も忘れずに
ということでくすりを購入し帰られたお客様。
なかなか相談されにくい部分なので、そもそもそんなに対応したことないのですが、例年よりかは早い時期の相談だったかなと思います。
今年はちょっとあったかいのもあるかもしれませんね。
デリケートゾーンのかゆみを防ぐには
- いつも清潔に保つ
- 通気性のいい下着を履く
- 感染症に気をつけて性行為をする
- 疲れを溜めずに抵抗力を落とさない
などなど対策できることもいろいろあるのでお客様にもお伝えしたいところです。
今日もお客様にとっていい提案ができますように。
それでは元気にいってらっしゃい~。