50代くらいの女性がスポーツドリンクを持って尋ねられました。
99歳になる自身の母親が発熱で救急にかかったとのこと。
その際「水分が足りない」と医師から指摘。
お茶か何かを飲ませるように指示されたそうでした。
「よく病気にかかった時、スポーツドリンクを飲んだりしますけど、高齢の母にも飲ませていいものなんでしょうか」
もちろんスポーツドリンクを飲むのに年齢制限はありませんから、高齢だからといって控えるものではありません。
ただし、水分補給を行うのにスポーツドリンクが適切かどうかを考える必要があります。
「お母さまの熱って、どのくらいだったのでしょうか」
「熱は37.5℃くらいでした」
「37.5℃ですね。汗はかいているような様子でしたか」
「汗はあまりかいていないです」
「そうですか。ちなみに今回病院にかかって、お薬もらったと思いますけど、それ以外に何か普段飲んでいるお薬とかってありますか」
「普段は血圧の薬を飲んでいます」
「血圧、ですね。そうしたら、水分補給はお医者様が言うように、お茶などで十分ですよ。むしろスポーツドリンクは避けたほうがよろしいかと」
確かにスポーツドリンクは、体調不良のときの水分補給に選ばれている印象があります。
夏に経口補水液とスポーツドリンクの役割のちがいを記事にしましたが、
- 汗に含まれるナトリウムがしっかり入っていながら
- 甘みもあるからおいしくて飲みやすく
- 体の中の水分を保つ力もふつうのお水より高い
のが、スポーツドリンクの魅力だとお伝えしました。
つまり今回の方の場合だと、そんなに汗もかいていない上に血圧の治療中ということもあり、ナトリウムの摂取が過剰になる恐れがありました。
医師が「お茶か何か」と提示したのも、あえてのような気もします。
そう言ってご案内すると、麦茶を数本選んで買って帰られました。
以前の記事にも書いてありますが、健康な人の水分補給にはスポーツドリンクはもってこいですね。
健康な人、というのは、高血圧や糖尿病でない、という条件もあるんだな、と、この日の接客で気づかされました。
また、熱で大量の汗をかいていたり、嘔吐や下痢を繰り返していたり、脱水のおそれがある人には、経口補水液を少しずつ摂取させるのがいいですね。
経口補水液は夏だけでなく、インフルエンザやノロウイルスが猛威を振るう冬にも活躍します。
スポーツドリンクも経口補水液も、正しく有効に活用したいものです。
体調不良には気を付けて、こまめな水分補給、手洗いうがいの徹底、マスクの着用。
今日も一日がんばりましょう。