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医薬品 接客

なんだか突然肩が痛い! わかる、私もそうなの。

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50代くらいの男性のお客様。
すみません、と、腕をぐるぐるしながら話しかけてきました。

「すごい、肩が痛いんですけど、何かいいくすりはないですか?」

顔をしかめて、かなりおつらそうです。
少しお話を伺ってみました。

「肩が痛い」詳細をきいてみた

「肩が痛い原因はご自身でお分かりですか。何か運動をしたとかでは」
「とくに無理して動かしたりしたことはないです。突然痛くなりだして……」

お客様のお話を聞くと、どうやら痛くなりだしたのは昨日の晩。
就寝して1時間ほどしたときに、肩の痛みで目が覚めて、一晩中痛くて眠れなかったといいます。

「これまでに、こうして突然体が痛み出すようなことはありましたか」
「いいえ、こういうことは初めてです」
「痛みがラクになる瞬間とか、姿勢とかはありますか」
「こう、前屈みになると少しラクかな……」

ということで、お客様のお話をまとめると……

  • 来店されたのはお昼頃、昨晩から眠れないほどの肩の痛みが続く
  • 姿勢を変えるとラクになる瞬間はあるけれど基本的に痛い
  • これまでに同様の痛みを突然感じたような経験がない
  • 激しい運動や無理な体勢をした覚えはない
  • どちらかというと首筋から肩にかけて痛い
  • 発熱や頭痛などはない

というような感じでした。
もっと痛み方とか、掘り下げてもよかったかな〜とも思いました。

3つの選択肢を提案してみた

ということで、お客様のお話をもとに、いくつかの選択肢を提案しなければなりません。

「なるべく、即効性のあるものをお願いします」と、お客様。
とにかく早くその痛みをなんとかしたい様子です。

提案1:受診勧奨

「そうですね、ですがお客様。お話を聞く限りだとたいへんおツラそうなので、私としては一刻も早く病院へ行かれた方がいいと思います」
「市販薬ではどうにもなりませんか」

いえ、市販薬でも痛みを和らげることはできるかもしれませんが……

「ひっかかるのは、運動が原因でないことと、目が覚めるほどの痛み、という部分ですね。ふつう、筋肉の炎症による痛みの場合、安静にしていればラクになることもあるのですが……」

寝ているときに目が覚めるほどの痛みを感じたとなると、それは肩の痛みに感じているだけで、実は内臓疾患などの可能性も疑われます。

こういう場合、市販薬で痛みを誤魔化し続けてしまうと、治療の機会を奪ってしまうことになりかねません。
原因が深刻であったときのためにも、早めに病院へ受診してほしいことを伝えました。

しかしお客様、この日は病院へかかれないと言います。
「明日行くから、とにかくいまこの痛みをなんとかしたいです」

提案2:解熱鎮痛薬

「痛みをおさえるだけなら、ふつうの痛み止めで十分ですが、ふだん飲まれているものはありますか」
聞くと、痛み止めは飲んだことがなく、家にあるものもよく知らなそうでした。

「もし、肩の痛みが筋肉の炎症による痛みであれば、炎症を抑える力にすぐれたイブプロフェンなどのお薬が有効です」

そうでなかったとしても、痛みを抑えることはできると思います。
でも、解熱鎮痛薬は「一時的に痛みを和らげる」だけで、痛みの原因をやっつけるわけでも、痛む患部を治すわけでもありません。

根本的な解決にならないので、私としてはあまりおすすめはしたくありませんでした。
そこで、もうひとつの提案です。

提案3:葛根湯

「かぜのひきはじめに飲む印象が強いですが、肩こりなどの痛みにも葛根湯は飲まれます」

体を温めて汗をかくのを促すタイプの漢方薬が葛根湯。
血管の拡張作用もあるので上半身の血行もよくなり、肩の痛みが和らぐという構図です。

実は、私も最近肩から背中にかけて痛むことがありまして、葛根湯を試してるんです……

「私が肩を痛めるときって、ここ最近『寒いとき』な気がしてるんですよね。実際そういう人多い気がして」
「だから、体を温めるくすり、ですか」

私が気になったのは、お客様の寝ていた環境です。
寒いお部屋で布団から肩を出して寝ていたとしたら、そこから体が冷えて痛みにつながったとも考えられます。

とくに汗かきなどではないですか、と聞くと、はい、とお客様。
汗かきの人が葛根湯を飲むと、汗をかきすぎて余計に体力を消耗してしまうので注意です。

「もし、体を冷やしたことが痛みの原因だったとしたら葛根湯は有効な手段だと思います」

葛根湯を選ばれたお客様へ

結果、お客様は最後に提案した「葛根湯」を手に取りました。

「葛根湯は漢方薬なので、食前の、お腹が空いているときに一包飲んでください。お水でもいいですが、温かいお湯で飲むとより体が温もりますよ」

それから、と、葛根湯についての説明を続けます。

「飲むのは痛みがあるときに限定して飲んでください。長い期間飲むと、胃腸に負担をかけるおそれがあります」
「わかりました」
「あとは、お薬だけに頼らず、着るものなどでなるべく体をあったかくしてくださいね」

そして、まだ他の原因の可能性が拭われたわけではありません。
痛みが和らがなくても、なくなっても、必ず病院へ行くようにと伝えました。

「寒くて肩が痛い」人って実際にいると思うよ

私の場合、あたたかい日には肩の痛みが現れないので、たぶんそれが原因だとは思っているんですが……
それにしてもこの歳になって初めて経験することなので、実際ちょっと「ほんとかな」と思ってもいます。

「体が痛い」というのは何かしらの信号なんだと思います。

その信号を正しくキャッチして、必要であれば病院へ行けるほうがいいなという話です。

今日も元気にいってらっしゃい!

-医薬品, 接客

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