40代くらいの女性のお客様が、鼻炎薬を手に取り私に尋ねてきました。
花粉症のご主人のお薬を選びにいらしたのですが……
目次
ある鼻炎薬で薬疹が発生
お客様は、エピナスチン主成分のお薬を手にしていました。
「はじめはちがうくすりを選んで飲んだんです」
と、最初に選んだというお薬を教えてくださいました。
くすりの有効成分は以下の通り。
- クロルフェニラミンマレイン酸塩
- ベラドンナ総アルカロイド
- プソイドエフェドリン
- 無水カフェイン
- グリチルリチン酸二カリウム
「たった一度飲んだら、背中に発疹がわぁーって出て、すごくかゆがったんです」
「薬疹ですね。今まで他のお薬を飲んで、そういった症状が出たことは」
「ないです。このくすりだけです」
飲んですぐのことだったので、とっさにくすりのせいだと判断し、服用を中止したご主人。
それからこうした発疹は一度も現れなかったそう。
エピナスチン単剤のお薬を飲むことに
その後、エピナスチンが有効成分の鼻炎薬に変更し、服用中。
効き目も良好で、目立った副作用は起きていないようです。
「でも、このくすり、飲み続けるにはちょっと高いんですよね……」
「なるほど」
「このとなりのくすりって、このくすりと同じ成分ってことですよね」
お客様がおっしゃるのは、別メーカーのエピナスチン単剤のお薬でした。
つまり私の店で売るPB商品になります。
「そうですね、有効成分は変わりません。こちらのメーカーよりもあとから出しているなど、まあ、いろいろあって、この値段で提供できます」
「こっちのくすりに変えても、湿疹が出ることはありませんかね」
よりコストがかからないPB商品に切り替えたい様子でした。
同処方のくすりなら別メーカーでも安全か
「その、薬疹が出たお薬ですが、どの成分に対して反応が出たとか、そういったことはお調べになりましたか」
「いいえ、何の成分かまでは、はっきりとは……」
「そうですか、そうすると、正直大手を振って大丈夫、とは言えないですよね……」
何が原因で起きたのかがわからないということは、果たして有効成分で起きた反応かとも言い切れません。
もしかしたらのもしかしたらで、添加物で起きている可能性だって拭えません。
有効成分は同じでも、他のところで違いがあれば、そこで効果の違いも出るかもしれないし、薬疹が出ることもあるかもしれません。
正直、原因がわからないことには、うかつに答えることができませんでした。
「アレルギー反応の出たものを再び摂取すると、ショックを起こしたり、ひどい症状が現れる危険性もあるので、なるべくなら原因をはっきりさせてからご相談いただきたいところです」
そう、お客様に伝えましたが、PB商品のエピナスチンのお薬を買われるご様子だったので、なにか症状が現れたら、すぐに服用をやめて病院にかかるよう伝えました。
薬疹の原因の可能性が何かを調べてみた
あとで薬疹が出た薬の名前で検索をかけ、薬疹の可能性をたどってみました。
すると、気になる情報が目についたのです。
ある人がそのくすりを飲んだところ、全身に発疹と発熱を確認し、入院。
薬疹の検査をしたところ、ベラドンナ総アルカロイドで陽性。
ベラドンナは、セイヨウハシリドコロとも呼ぶナス科の草本。
茎や根に副交感神経系を抑制するアルカロイドを豊富に含む。
私はもう一度お客様との会話を思いだしていました。
そして、やっぱり一刻も早く薬疹の原因を調べてほしいと思うのです。
アレルギー体質なお客様のご主人
「アレルギーの検査ってされたことはありますか」
と、お客様に尋ねると、あるんですよ、一通り調べて、けっこうな結果で、とお客様。
「スギからヒノキから、花粉という花粉はみんなアレルギー反応がありました。動物とか、食べ物にも、いくつか反応があって……」
と、けっこうなアレルギー体質だということがわかった様子。
「小麦粉もアレルギーがあって、うどんとかは食べられません。あと、もうひとつあったのが根菜類」
「大根とかハスとかごぼうとか、ですか」
「そう。おなかもこわしたり、内臓系にも反応するから、いろいろこわくて」
と、植物系の食べ物に、アレルギー反応を起こす傾向がありました。
けっして診断ができるわけではないので、もしかしたら……とよぎる程度ですが、可能性もあるんだろうな~とぼんやり考えました。
薬疹でたら病院で原因解明はたいせつ!
原因がわかることで何を避ければいいのかが明確になります。
病院や薬局へ行った場合の治療をおこなう上での大切な情報にもなります。
くすりを飲んで具合が悪くなったときは、そのくすりの服用をすぐに中止。
飲んだくすりの添付文書を持って、お医者さんに相談するのがいいかもしれませんね。
今日もお客様にいい情報提供ができますように。
元気にいってらっしゃい。