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医薬品 接客

むくみに効く漢方薬を選びたい! 知識のなさを痛感

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今日はうまくいかなかった接客のご紹介~。

60代くらいの女性のお客様。
夜になると足がむくむことでお悩みです。
お小水を増やすお薬をお探しでした。

お客様のことを聞いてみました

「ご自身ではむくむ理由は何か心当たりはありますでしょうか」
「疲れだと思います。夜になるとむくんで、寝て朝になると少し解消されるのですが、なんとかならないかと思って」

水分は、日頃からこまめにとられていて、ご自身の感覚では1~2リットルはとれている様子。
足のマッサージを、という話では意識してやられているようで、歩いたり、足を使った運動もしている方だと言います。

「お小水の量を増やしたいという感じだと思いますが、日頃からお小水の回数は少ないと感じますか」
「少ないとは思わないけれど、水分が出ていっていない感じはしています」
「ちなみに今ほかに何かお薬などは飲まれたりしていますか」
「くすりはなにも飲んでいないです。本当は病院に行けばいいんだろうけれど、このご時勢、なんだか行くのがこわいから」

お小水を増やすくすり、というとちょっと浮かばなかったのですが「むくみ」で困っているという観点から、漢方薬で解決できないかなと考えました。

「むくみ」に効果のある漢方薬は

「むくみ」の漢方薬で、まっ先に思い浮かんだのは「当帰芍薬散」でした。

当帰芍薬散

生理不順などのイメージもあるけれど、たしかむくみも効能にあったんじゃ……
と思い、手に取り証を眺めると、たしかに「むくみ」の文字。
でも、なんだろう、なんだかしっくりこない。

体力虚弱で、冷え症で貧血の傾向があり疲労しやすく、ときに下腹部痛、頭重、めまい、肩こり、耳鳴り、動悸などを訴えるものの次の諸症:月経不順、月経異常、月経痛、更年期障害、産前産後あるいは流産による障害(貧血、疲労倦怠、めまい、むくみ)、めまい・立ちくらみ、頭重、肩こり、腰痛、足腰の冷え症、しもやけ、むくみ、しみ、耳鳴り

日頃運動もされているようだから体力はありそうなお客様。
疲れやすいけれど、冷え症も貧血気味であるのもまたちがう……
もう少し体力ある人に向けた漢方薬ってなかったっけ~。

だいいちこの漢方薬を飲むことでどういう仕組みでむくみが解消されるのかが説明できない。
どちらかというと「気」「血」「水」の「血」をどうにかするんだろうけれど、それが「水」のむくみにどう直結するのかうまく言えない~。

私の漢方薬知識がまったく足りないことが露呈するばかりで、けっきょくお客様は何も購入されずお帰りになられてしまいました。

私が覚えていないだけで絶対あるはず。
と思い、早速調べてみますと「防己黄耆湯」という漢方薬が出てきました。
お店の棚を見てみると……ある!
しかもめっちゃ「むくみ」って書いてあるやつ!

防己黄耆湯

防己黄耆湯って、私の中では勝手に「防風通聖散」みたいな肥満症の漢方薬っていうイメージでした。
虚証であるものの、体力中等度以下の人から飲める漢方薬で、以下こんな証のお薬です。

体力中等度以下で、疲れやすく、汗のかきやすい傾向があるものの次の諸症:肥満に伴う関節の腫れや痛み、むくみ、多汗症、肥満症(筋肉にしまりのない、いわゆる水ぶとり)

汗っかきかどうかは実際に聞いていないのでけっきょくのところわからないですが、なんだかこっちに当てはまりそう。
お客様の見た目は、そんなに太っている感じがしませんでしたが、脂肪太りではなく水太り傾向だと考えれば、こっちの方が適した漢方薬に違いない。

なぜ、これらの漢方薬は「むくみ」に効果のあるとされているのでしょう。

なぜ「むくみ」に効果があるのか

ふたつの漢方薬に合う人物像は浮かんできましたが、実際にこれらの漢方薬がどのようにしてむくみに効果があるのかをまとめてみました。

血を補う「当帰芍薬散」

「血」が少なかったり、薄かったりすると、体に必要な栄養や熱が行き渡りません。
これが原因で生理不順や冷え症になるというのが、漢方の世界の考え方。
この「血」が体をめぐらないことには、水分の代謝も悪くなります。
よって、体に水分がたまりやすくなり、その水分によって体も冷やされるから「冷え症」につながるということ。

つまり、「血」のめぐりをよくすることで体全体の栄養や熱、水分のめぐりもよくなるということ。
だから、むくみも解消するんですよ、というのがこの漢方薬のはたらきでした。

気を補う「防己黄耆湯」

胃腸の働きをよくすることで、消化吸収を助けるのがこの漢方薬。
そうすることで、余計な「水」を除いてくれて、全身の機能も高まるということ。
からだに必要なエネルギーをちゃんと作って、消費できるようにもなります。
同時に水分を排泄させるので、むくみの解消にもつながるということです。

ふたつの漢方薬のむくみの解消の仕方がわかりました。
では、どんな質問をすればよりどちらかを選びやすかったのでしょう。

お客様へ尋ねるべき質問は

実際にした質問などから

  • 疲れやすい傾向がある
  • 日頃から運動や水分補給などに気をつかっている
  • 体力は虚弱ほどではない
  • 肥満というほど太ってはいないがむくみやすい
  • お小水はまったく出なくはないが出し切れていない感覚
  • 服用薬はなし

ということがわかっています。
あとは、何を質問したらよかったでしょう。

熱証、寒証に分けられる質問

汗っかきではないか、冷え症ではないか、などという熱証、寒証にふれる質問をすると判断しやすいですね。
汗っかきな熱証なら、防己黄耆湯。
冷え症な寒証なら、当帰芍薬散が合う可能性が高まります。

「むくみ」以外で困っている症状

貧血気味ではないか、生理不順ではないか、胃腸は弱くないか、などの質問も判断材料になります。
今にしては思いますが、漢方薬の根本的な知識がないと、出てこない質問かもしれませんね。

漢方薬勉強しなきゃと痛感

けっきょく今回の接客は100%自分の知識不足が原因の失敗でした。
漢方薬、いちばん後回しにしていた分野なので、これを機に他のくすりの知識と並行して身に付けていきたいと強く感じました。
日々勉強、がんばっていきます。

今日も素敵な一日になりますように。
元気にいってらっしゃい!

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