医薬品 接客

その痛みはなぜ起きる? 胃腸薬選び

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30代くらいの女性のお客様から声をかけられました。

「胃がきゅーんって痛くなって……痛みをとるお薬はありますか」
「きゅーん……」

症状について聞いてみた

「いつ頃から痛い感じしますか。ご飯食べる前とか、食べてすぐあととか」
「昼食を食べた2,3時間後くらいに急に痛くなって……しばらくしてなんとなく和らいだ気がするんですけど、また痛くなりそうで」

お客様が胃の痛みを感じ始めたのは、食事から少し時間がたっていました。
くすりを飲むタイミングで言うなら「食間」でしょうか。

食事の内容はいたってふつう。
たくさん食べたわけでもなく、脂っこいものや、甘いものを摂取した様子もありません。

よく胃は痛くなるのかも尋ねましたが、初めて感じる痛みとのことです。
きゅーん、という痛み。
締め付けるような、というところでしょうか。

「息苦しくなるとか吐き気があるとか、ほかにいつもと違うような症状は出ていませんか」
「息苦しさはないですが、なんていうか、きゅーん、て感じが、胃に」

生活習慣について聞いてみた

お客様の話を聞いていると、どうも食事だけが原因ではないように感じました。
そこで、もう少し生活の習慣などについてお尋ねしてみることに。

水分補給の方法

「お水を飲んだりはしていますか。なにかおなかに入れると、痛みが増す、ということはありませんでしたか」
「この暑さなので、水はまめに飲んでいるつもりです。とくに水を飲んで変わったこともありませんが」
「それならよかったです。ちなみにお水は冷やしたものを飲まれてますか。ほかにも、頻繁に冷たいものをとるようなことはありますでしょうか」
「いいえ、水も意識して常温でとるようにしていますし、冷たいものはあまり好んでとっていません」

冷たいものを摂取することで、内臓が冷えて胃に負担になっているのではという想定で尋ねました。
お客様ご自身は、意識して体を冷やさないようにしているようです。

お通じの状態

「ちなみに、お通じってふつうな感じで出ていますか」
「うーん、ふつうだと思います。とくに下してもないし、便秘もありません」
「そうですか。おなかが張るような、ガスっぽいのがたまっているような感じとかは」
「それも、大丈夫だと思います」

過敏性腸症候群など腸やほかの内臓と絡む痛みではないかを探るために聞いてみました。

もっと明確化するために、痛む具体的な場所なども尋ねればよかったかな~と思います。

生活習慣の変化

冷たいものは好まない。
お通じも正常。
と、ここまでヒントをつかんできましたが、もう少し尋ねてみたいと思いました。

「最近、生活に変化とか、何か変わったことは周りに起きていませんか」
「いえ、それもとくに……」
「そうですか。何か疲れるようなこととか、ちょっとストレスに感じているようなことも、ここ最近起きていませんか」

そう尋ねてみると、お客様は少し考えて……

「ただ……ここ最近は暑くてちょっと夏バテ気味かもしれません。食欲も少し落ちた気がするし、ストレスと言えばそれくらいですかね」

なるほど、それはたしかに体調を崩す一因ではあります。
暑さで消化機能が衰えたり、胃酸分泌がうまくいかなかったりするかもしれません。

いくつかお薬を提案してみた

「うーん、たしかにお客様の言うように、夏バテっていう考えもあるんですよね……」
「そうなんですか。こんなこと初めてだし、胃のお薬ってたくさんあるから何を選んでいいのかわからなくて」

たしかに、胃腸薬は種類がたくさんあって、私もくすりの選択に迷うときがあります。
でも、得られた情報をとおして、なんとか提案してみたいと思います。

「ちなみにですけど、お薬、なんでも飲めるほうですか。粉薬が苦手、錠剤がいい、とか」
「あー……粉の薬はちょっと味が苦手かもしれません」

提案したい胃腸薬の条件

  • おなかがすいているときも飲める
  • 錠剤やカプセルなどコーティングされている剤形
  • 胃酸分泌を抑制する効果
  • 胃を健やかにする効果

なかなか全部網羅しているものをみつけるの難しいんですが、お客様判断にゆだねるとします。

健胃生薬バリバリの散剤のくすり

「胃を健やかにする生薬がたくさん入った総合胃腸薬です。生薬の香りとメントールで、飲むとけっこうすっきり気分がよくなる感じです。胃酸を中和してくれる成分も入っています」
「今からでも飲めますか」
「はい、こちら食後、または食間の服用になりますので、食べてすぐ後でも、しばらくたった今のようなときでも飲んで大丈夫です。ただ……」

剤形が散剤で、生薬を中心に構成されたお薬です。
香りや味が独特なので、錠剤などを希望のお客様には飲むのが大変かもしれない、と伝えます。

「やっぱり、こういうのってそのまま飲んだほうがいいんですかね」
「はい、漢方薬とか、生薬で構成されているようなお薬って、味や香りを感じることでしっかり効果が得られる、と言われる部分がありますので、できればしっかりお水で飲んでいただいたほうがいいですね」
「そうですか……」

胃粘液を増やして保護する錠剤のくすり

「こちらは錠剤のお薬です。胃粘液を増やして、胃を保護してくれる成分と、胃の働きを活発にしてくれる成分が入ったお薬です」
「こっちは飲みやすそうですね」
「はい、1回1錠で効果が出ます。ただ、こちらは食後のみの服用になります。次はお夕飯食べたあととかに服用になってしまいますが」

すぐに飲みたそうでしたが、現時点では痛みが落ち着いているのもあり、それでもよいとのことでした。

ほかにも若干味的にも甘いんじゃないかということを期待して補中益気湯なども提案しようかとも思いました。

お客様は二つ目に提案した錠剤を選ばれてお帰りになりました。

痛みの表現ってされても結局わからないことが多い

つい接客で自分から「どんなふうに痛いですか」って聞きがちだけど……

いざ「ずきずきします」「にぶい痛みです」とか言われたところで、なんのことだかわからなかったり。

痛みの表現は知識があればひとつの手がかりになるかもしれません。
でも、それだけに頼らず、なるべくお客様からたくさんヒントを得ることが大切だったりします。
自分のお薬の提案のための材料にもなりますし、お客様にとっては状況の整理にもなりますから、よりお薬を選びやすく、あるいは病院へ行きやすくなるのです。

今日もお客様にとっていい提案ができますように。
すてきな一日にしましょう~。

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