地方のドラッグストアで医薬品登録販売者として働くアラサー女の靉(あい)です。
ドラッグストアの接客において、お客様から尋ねられることの中でも多い一言があります。
「薬剤師さんですか」
世の登録販売者の中ではこの一言に過敏に反応する人もいます。
この問いかけのあとの対応一つで、お客様に帰られてしまうかどうかが決まります。
さて、最初になんと答えればいいでしょうか。
目次
第一声は「なにかお薬のことでご相談ですか」でOK
薬剤師かどうか、あるいは、薬剤師がいるかどうかとお客様に尋ねられた場合……
結論として「なにかお薬のことでご相談ですか」と答えれば、ほぼ次の対応につなげることができます。
何より最初に自分が登録販売者であることを、お客様に伝える必要は一切ありません。
その理由を今から書きます。
資格者の肩書きはお客様にとって重要ではないから
お客様がなぜ「登録販売者」ではなく「薬剤師」を指名するか……
簡単にいえばお薬の専門資格として知名度が高いのは圧倒的に「薬剤師」だからです。
ドラッグストアで働いているくすりに詳しい人は薬剤師だろう。
その程度の感覚で尋ねていることがほとんどです。
それを一言目に「薬剤師はおりません」「薬剤師ではありません」と言えば……
「薬剤師いないの? じゃあ、ほかのところ行くね!」で終了〜です。
まして「登録販売者が対応いたします」などと言っても……
「薬剤師じゃないの? くすりのことなんてわからないよね!」で終了〜です。
自分が登録販売者であることなんて、接客の最後に伝えるか伝えないかくらいでいいのです。
まずはお客様のニーズを聞くことが最優先だから
重要なのは、お客様がなぜ薬剤師を求めているかです。
薬剤師を求めている「目的」を先に聞いてさしあげるのです。
市販薬を探しているのかもしれない。
健康についてお話ししたいのかもしれない。
レジ担当や品出し担当ではなく薬剤師に声をかけたいのだから、ある程度専門性のある相談ではあると考えられます。
ニーズを聞けば、さらに次の対応につなげることができます。
たいていは薬剤師でなくても対応できるから
そして、お客様の伝えてくるニーズというものは……
大体がとくに薬剤師でなくても対応できる相談であったりするものです。
先日、薬剤師を探していたお客様に聞かれたのは「一番早く測定できる体温計があるか」という相談でした。
そのくらいの対応を、薬剤師がいないからと逃していてはなりませんよね。
お薬の対応にしても、世に出回る市販薬の9割は、登録販売者でも対応が可能な商品ばかりです。
日頃からしっかり勉強して、お客様のお話をよく聞いて、親身に対応するべしです。
本当に薬剤師さんが対応した方が良さげなもの
実際にお客様から相談内容を聞くことで、はじめてその後の対応の判断ができるのです。
登録販売者が対応できるものもたくさんありますが、中には薬剤師さんに相談したり対応していただいた方がいいものもあります。
そういう時は、知ったかしたりせず、適切な対応をした方がいいでしょう。
たとえば、こんな用事で来られるお客様がいます。
「処方せんは受け付けていますか」
ドラッグストアだからと、調剤もできると考えて来られるお客様がいらっしゃいます。
処方せんは、調剤薬局のお仕事になりますので、ドラッグストアでも調剤併設のところでないと受け付けません。
薬剤師のいるドラッグストアであっても、必ずしも調剤をやっていることはないです。
調剤薬局ではないという事実を伝えてお詫びしたあと、近隣の調剤薬局を教えて差し上げると親切ですね。
「第一類医薬品は置いていますか」
いわゆるロキソニンやガスター、リアップなど、薬剤師さんでないと扱えない市販薬(要指導医薬品や第一類医薬品)をお求めのお客様の対応は、薬剤師さんのいる店舗へのご案内などが必要です。
ただし、ロキソニンをお求めの人の中には、とくに決まった解熱鎮痛薬を使用しておらずとくにこだわりもないという人もいらっしゃいます。
ガスターをお求めの場合も同様のことがあります。
少しくわしくお話を聞いて、第二類医薬品や第三類医薬品の中から代替品を提案するのはありだと思います。
「医療用医薬品との飲み合わせを見てください」
お薬手帳や薬剤情報提供書をお持ちのお客様から、病院でもらっているお薬と、市販薬との飲み合わせを聞かれることもあります。
または口頭で「血圧のくすりを飲んでるんだけど」と言われる場合もあります。
もちろん登録販売者としての知識の範囲で飲み合わせがわかるものに関しては回答できますが……
(高血圧ならエフェドリンや麻黄は避けた方がいいな、とか)
わからない範囲の飲み合わせであれば、すなおに「わからない」として薬剤師さんにお任せするのがいいと思います。
登録販売者という資格者であるからこそ、この判断力はつけるべきと思います。
踏み込むべきでない領域はあるというのが私の考えです。
まずは要求を聞く、話はそれからだ!
ということで、ドラッグストアでお客様から薬剤師を尋ねられた場合は……
己が誰だということよりも、まずはお客様のニーズを把握することが重要です。
お客様がいったいなにに困っているのかをよく聞いて、対応できそうなら親切に相談にのりましょ〜。
あそこのドラッグストアの店員さん、親切だからまた相談にのってもらおう。
そう思ってもらえたら最高ですね。
誰かのお役に立てますように。
今日も元気に言ってらっしゃい〜。