このところ、頻尿や膀胱炎などで相談に来られる人を続けて接客している気がします。
市販薬でも八味地黄丸や猪苓湯などの漢方薬などで対応することもありますが……
大概は一度病院で相談することもおすすめしています。
80代くらいの男性のお客様。
夜中に何度もトイレに立って困っているとの相談を受けました。
この男性には、お薬をすすめず、結果として受診勧奨しています。
症状についてうかがってみた
「夜中にトイレに立つことが多くて、一晩で4、5回は目が覚めるんだけど、何かいいくすりはないですか」
「おつらいですね。毎晩のことですか」
「そう、毎晩。けっこう前から続いているんだよ」
聞いていると、市販薬も以前試されたけれど、効かなかったという様子。
何を飲んだかを尋ねても、商品名はわかりません。
お客様は、漢方薬ではなかったと言いますが……
「漢方薬っぽい商品名でなくても、中身が漢方薬のお薬がありますからね。ちなみにこの症状で病院にかかったことはありますか」
「ないけど、内科にはかかっているよ」
はっきり何でかかっているとは言われなかったのですが、高血圧や糖尿病の可能性が考えられました。
夜中にお手洗い行かれた時、お小水は普通の量かを尋ねると、普通に出るとの答えでした。
ここまでのお客様のお話をまとめると……
ポイント
- 毎晩4、5回トイレに行きたくて目が覚める
- 以前市販薬を試したが効果がなかった(商品不明)
- 夜間のお小水は普通の量出ている
- 別の治療で内科にかかっている
この話を踏まえて、私はお薬を選ばず、通っている内科の先生へ相談することをすすめました。
受診勧奨に至った理由
受診勧奨に至ったのには2つの理由があります。
受診勧奨2つの理由
- 市販薬の範疇ではない可能性がある
- 内科で治療中の症状のうちの一つの可能性がある
市販薬の範疇ではない可能性がある
以前使用されたお薬が何かがわからないのですが……
単純に症状や体質に合わなかっただけとも考えられるし、もっと根本的な治療が必要なことも考えられます。
「合わないお薬を飲み続けて、治療の機会を遅らせてしまってはなりませんから、市販薬で済ませようとせず病院で原因をはっきりさせることから始めた方がいいと思います」
我々は病気の診断ができるわけではありません。
夜間頻尿のはっきりとした原因を当てることはできませんが、どうしても気になることがあったので市販薬を勧めることができませんでした。
内科で治療中の症状のうちの一つの可能性がある
「お客様くらいの年齢だと、前立腺肥大による頻尿なども考えられます。膀胱の容量が減少して、お小水が貯められず、すぐに行きたくなるような感じです」
「そうだよな、歳だってことだよな」
「う〜ん、ですが、それだとふつう、一回のお小水の量って、ちょっとだけだったりするはずなんです」
お客様は、毎晩4、5回のお手洗いで、いつもふつうにお小水が出るとおっしゃいました。
多尿の症状で頻尿が起きているのでは……そう感じました。
「治療中のものによっては、夜間の尿量が多くなる症状が現れることがあります。次に内科にかかる時、夜間頻尿のことを先生に相談してみてください。症状に合わせたお薬を処方してもらえる可能性があります」
市販薬の連用は治療の遅れにつながることも
市販薬をお求めのお客様に、何かお薬を提供したい気持ちはありますが……
市販薬を漫然と使用し続けることは、病院での治療の機会を遅らせることにもつながりかねません。
頻尿ひとつにもいろんな原因が考えられますから、安易に判断せず、いろんな情報を駆使して、受診をすすめるところはそうしたいものです。
お客様にとって適切な判断ができますように。
今日も元気にいってらっしゃい。