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就職 資格

OTC販売「2分の1ルール」って? 登録販売者の私がやさしく解説

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先日、気になる記事を発見。
それはOTC、いわゆる市販薬の販売における「2分の1ルール」が撤廃される方向で、登録販売者にも影響があるかという見出しで書かれていました。

「2分の1ルールってなんなの?」
「登録販売者が不要になるって本当?」
「撤廃されるとどういうことが起こるのかな?」

この記事ではこんな疑問を解決します。

結論から言って2分の1ルールの撤廃によって登録販売者が不要になることはないでしょう。
むしろ、資格者の働き方の幅が広がるきっかけにもなるかもしれません。

一見むずかしく感じますが、実は単純なことなので、サクッと説明しちゃいます。

「2分の1ルール」ってなに?

「2分の1ルール」というのは、ざっくり言うと「登録販売者の勤務時間とお店の営業時間」に関係するルールです。

私たち資格者がよく気にしている「管理者要件を満たすための実務時間」とはまた別の話です。

以下で順番に解説します。

営業時間の半分は必ず資格者を置かなきゃならないというルール

「2分の1ルール」のさす「2分の1」がなにを指すのかというと……「お店の営業時間」の「半分」のこと。

「市販薬を置くお店の開店している時間」(営業時間)の1週間の合計の半分以上の時間は、必ずくすりの専門知識を持つ専門家がお店にいなければならない、というルールです。

お薬の専門家は登録販売者はもちろん、薬剤師さんでもオッケーです。
市販薬を扱う以上、誰か資格者が必ずいる状態を半分以上持ちなさいよ、というルールが「2分の1ルール」

たとえば、朝10時から夜10時まで毎日営業しているお店だったら……
1日12時間、1週間で84時間。
だから42時間以上はぜったい資格者がいるということ。

このルールをなくそう、というのが、今回の撤廃のお話です。

資格者がいない時間は市販薬を販売できない決まりは据え置き

はっきりさせておきたいのが「資格者を常駐させなくてもいい=資格者がいなくても市販薬が販売できる」ではないということ。

当然、薬剤師、および登録販売者がいない時間帯は市販薬の販売はできません。

これまでの「2分の1ルール」のそもそもの目的は……
「医薬品の相談が受けられる時間」が「医薬品の対応ができない時間」を下回ってはいけないよ、ということ。

市販薬をお店に置く以上、ちゃんと販売態勢でいなきゃダメなんだからね、ちゃんと資格者おかなきゃね。
そういうルールなので、資格者をしっかり雇えるお店でなければ、そもそもお薬は売れなかったのです。

「2分の1ルール」なくなるとなにが起きるの?

今回の「2分の1ルール」撤廃によって薬局・ドラッグストアがただちになにか変わることはありません。

なぜなら、薬局・ドラッグストアはそもそもが市販薬を販売することを目的とした店舗だから。
薬剤師も登録販売者も十分に雇用する態勢であって、常に市販薬を販売しなきゃならないお店だからです。

ポイントは、今回「2分の1ルール」撤廃の要望をかけたのが「コンビニエンスストア」業界だということ。

そう、ルール撤廃で恩恵を受けるのは、薬局・ドラッグストア「以外」のお店。
そして、私たち資格者自身の就職先の選択肢です。

薬局・ドラッグストア以外の店舗に市販薬を置きやすくなる

コンビニエンスストアの多くは24時間年中無休の営業です。

ルール上、市販薬を置くには、毎週84時間以上は誰かしらの資格者を勤務させなければなりません。

このルールが撤廃されると……
もっと限定された時間帯だけでも、市販薬の販売ができることになります。

たとえば、多くのドラッグストアの営業時間外になる深夜から明け方だけ、とか。
病院が開院していない土日祝日だけ、とか。

長い時間資格者を勤務させなくても、市販薬の取り扱いはできる。
薬局・ドラッグストアと同じように販売していたら負けてしまいそうなお店でも、市販薬を置きやすくなるということが考えられます。

登録販売者の就職先の選択の幅が広がる可能性が大いにある

なので、いろんな条件で勤務が可能な資格者の募集が増加する可能性もあります。

日中は学校へ行っているから働けないけど、深夜ならアルバイトできる有資格者さん。
子育て中で長い時間勤務できないけれど、少しでも市販薬に携わりたい有資格者さん。
平日はちがう仕事をしているけど、休みの日も働きたい有資格者さん……などなど。

さまざまなライフスタイルの登録販売者さんが活躍できる場が生まれるかもしれません。

うっかり「管理者要件」を満たさない働き方をしないように

忘れてはいけないのが登録販売者の「管理者要件」です。

直近5年間のうちに2年以上の実務経験(累計1920時間以上)がない場合は「研修中」扱い。
つまり、一人で市販薬を売ることができません。

短時間でも雇ってもらえると思って、うっかり実務経験時間の計算を怠ると……
あれ、時間が足りな〜い、なんてこともあるかもしれないので、この辺りはしっかり自己管理するべきですね。

「2分の1ルール撤廃」は登録販売者の働くスタイルを変えるかも

ということで「2分の1ルール」とは

  • 「営業時間の半分以上は資格者を勤務させなければならない」というルール
  • 「資格者がいなければ市販薬を販売できない」決まりには関係しない

ということ。

「2分の1ルール」が撤廃されることによって

  • 「市販薬を置きやすくなる店舗が現れる」という可能性
  • 「短時間勤務などさまざまな条件で働ける登録販売者が増える」という可能性

について書きました。

今まで市販薬に携わってこなかったところでも参入する可能性があるので「実務経験時間」の管理などは、自分自身でも徹底して記録するなど対策をして臨んだほうがいいかもしれませんね。

登録販売者が不要になるなんてことはありませんよ〜。

それでは、今日も元気にいってらっしゃい!

-就職, 資格

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