8月末から行われた各地の登録販売者試験。
その合格発表が続々と行われているようですね。
合格したみなさん、おめでとうございます。
ようこそ楽しいお薬の世界へ。
今回お薬を販売する免許を手に入れた皆さんの中には、元々くすりの現場にいらっしゃる方もいるのかもしれません。
ドラッグストアのレジバイトさんかもしれませんし、薬局の調剤事務さんかもしれません。
私は今勤めるドラッグストアの前は、小さな薬局の調剤事務員をやっていました。
調剤がメインでしたが、市販薬も販売しているところです。
およそ2年間勤めたのち、調剤事務を切り離し、登録販売者としての仕事を優先することに決めました。
「調剤事務の仕事も楽しいけど登録販売者としての仕事はどうしていくべき?」
「調剤事務と登録販売者の両立は無理なのかな?」
そう考える人のために、今日は私がなぜ薬局からドラッグストアへの転職を決意したのかなどをお話します。
目次
ケーブルテレビ局を退社後、調剤薬局に正社員として入社
3ヶ月ほどのぷー太郎期間を挟み、調剤事務兼販売員としてとある薬局を経営する会社で採用されました。
マスコミ業から接客業へ転職を決めた経緯は過去の記事をぜひ読んでみてください!
最初は薬袋に患者様のお名前やくすりの飲み方を手書きで書きまくっていましたが、そのうちレセコンの操作もするようになり、調剤報酬の請求の仕方も教えてもらいました。
この時から登録販売者の資格を取ることは視野に入れていました。
そうしないと、いつまでたっても「販売」の仕事が全うできないと思っていたからです。
正直、私は薬局に転職するまで、登録販売者という資格を知らないどころか、市販薬を売るのに資格が必要だということすら知りませんでした。
なのでくすり屋に勤める以上仕事の幅を広げるには資格を取るほかないという意識がありました。
入社後およそ10ヶ月、人事異動発生
異動先は薬剤師ひとり、登録販売者ひとり、私の3人でまわす、耳鼻科の門前薬局でした。
人数が少ない分、一人当たりが抱える仕事の量も増え、仕事の管理能力も問われてくるようになりました。
耳鼻科の門前なので、花粉症の時期になると処方箋は100を優に超えます。
それを毎日変わらず3人でまわします。
調剤事務業務では、とにかく薬剤師の先生が効率よく動けるように、仕事のスピードも洗練されました。
この店舗に配属後、登録販売者試験に無事合格します。
販売従事登録後の実務経験
登録販売者になったあとも、変わらず楽しく仕事をしていました。
ふたりの先輩方もとてもよくしてくれて本当に感謝していました。
勤めていた薬局の来局者は、ほとんどが耳鼻科の処方箋を持った患者様です。
市販薬をお求めのお客様は、週に5日開けていて、2人いればいいところです。
それでも実務経験を積む上で幸運に思うことがありました。
薬剤師の先生は市販薬の販売にノータッチ
もちろん要指導医薬品や第1類医薬品をお求めの方がみえた場合は、薬剤師の先生に代わってもらっていました。
が、それ以外の一般用医薬品の接客はすべて登録販売者に任されていました。
お薬のことでどうしてもわからないことがあった時は、調剤室に行けばすぐに先生に尋ねることはできました。
でもその後のお客様への返答に、先生が出向くことはよっぽどのことがない限りありません。
最初から最後まで徹底して登録販売者が対応するのが、そのお店のルールでした。
市販薬は目薬と貼付薬以外すべてカウンターの後ろに陳列
つまりお客様が直接薬を手に取って選ぶことがありません。
ゆえに必ず登録販売者が接客しなければ薬を買うことができないシステムです。
まさにOTC医薬品、 Over The Counter でのお薬の売買です。
お客様の話に耳を傾けて、質問をする力が自然と身につきました。
耳鼻科が開院していない時間はほとんどお客様が来ない
数少ない接客を振り返り、ノートにまとめ、調べなおす時間、質問する余裕がたくさんありました。
あのときこういう質問をすればよかったな、という反省をそのままノートに記録できたし、くすりの専門書を読むことだってできました。
身近には薬剤師の先生や登録販売者の先輩も、同じ時間を過ごしているので、わからないことは都度質問していました。
調剤事務を兼任しながらも、私はかなり恵まれた環境で実務を積んでこれたように思います。
それでも転職しようと思った理由
先述したように、花粉症の季節になると処方箋の対応に追われます。
一般の接客がままならなくなり、せっかく来店したお客様のお相手ができず、そのまま帰してしまうことが何度もありました。
もちろん調剤事務という仕事もやりがいはあったし、せっかく仕事を覚えて、慣れてきたのもあります。
一方で民間資格を取るために少しずつ勉強をしてみようかという気持ちもありました。
でも、この先自分がどんな仕事をしていたいかを考えた時。
やっぱり人の健康や生活のサポートを、自分から広めて伝えられる存在でありたいという考えに至りました。
そのためにはやはり、調剤事務を優先するのは違うと思ったのが一番です。
あとは単純に、私はPCの前より人の前で仕事をしていた方が楽しいと思う人間なので、登録販売者の方が楽しそうと思いました。
その点はケーブルテレビ局からの転職の時と基準が変わりません。
薬局からドラッグストアへ転職してみて
正直な話、「くすり」に関わる時間が多く持てたのは薬局です。
一般用医薬品だけでなく、医療用医薬品の傍にいられたことも、薬局勤めの魅力のひとつだと思います。
納品される荷物も少ないし、24本入りの飲料のケースを自分の身長よりも高い棚の上に載せることもありませんでした。
食品や日用雑貨に追われて医薬品どころではないと悩むこともそんなにありません、薬局なら。
でも今は、薬局以上にいろんな人と出会うことができ、いろんな人と関わることができます。
忙しい中でも自分でくすりの勉強をして、お客様と一緒にくすりを選んで差し上げれば「ありがとう」と言って帰ってくれます。
それが私にはとても楽しく感じます。
ツボなんだと思います。
たくさんの人に恵まれているので、転職してよかったと思えています。
これから転職を考えているみなさん。
登録販売者という仕事に何を期待しているでしょうか。
この仕事をどういうものにするのかは、みなさんの気持ちにかかっているのですよ~。
ぜひとも楽しい登販ライフを送ってください!
こちらの記事も転職活動の参考になればと思って紹介しておきます。
今日も元気にいってらっしゃい!