2月のはじめに映画館へ観にいった映画「花束みたいな恋をした」
妹が観たいと言い始め、スケジュールを合わせてもう一度観にいきました。
私が同じ映画を映画館へ二度観に足を運んだのは、たぶん「もののけ姫」以来、2本目。
当時小学校の低学年の私には何度観ても難しい映画だったと思うのですが……
自分の中で「もう一度観たい」とはっきり思って観にいったのは、おそらくこの「花束みたいな恋をした」が初めてです。
目次
同じ作品を何度も映画館で観ることのメリット
「同じ作品を何度も観るなんておもしろいのかな」
「同じお金を払うならちがう作品を何本も観た方がよくないかな」
そんなことを思う人だって中にはいるでしょう。
私もそうは考えてこなかったとはいえ、複数回観に行くほどの作品には出会ってきませんでした。
なぜ今回の「花束みたいな恋をした」は、二度目の鑑賞をしたいと思ったのでしょうか。
わざわざ劇場で鑑賞するメリットを考えました。
いい作品はいい音響大きなスクリーンで楽しみたい
どんな映画も映画館で公開が終了したら……
だいたいの人はもうその作品を迫力のある大画面、音響で楽しむことができません。
もちろん、公開が終了すれば、いずれは円盤化もされるでしょう。
レンタルショップにDVDが並ぶこともあるだろうし、動画サイトで配信されることもあります。
だけど、あの環境を整えることばかりはしがない会社員な私には到底叶えられない。
だから、公開されている間は最良の環境で作品を楽しみたいと思いました。
一度目には気がつけなかった作品への解釈ができる
鑑賞一度目は、先のわからない状態ですから純粋にストーリーをたどることに集中して楽しめます。
では、先のわかる二度目以降は作品の何を観ているかというと……
セリフや行動ひとつひとつから登場人物の心の動きや、葛藤を見ます。
細かな描写から作品へのこだわり、演出の意図を汲み取ります。
いろんなところを観ているうちに、最初のころは気がつけなかった作品の良さに気がつくことがあります。
同じ作品を観ているのですが、観ているところがちがうので、つまらなくなることは一切ありません。
映画に限らず好きな作品は何度でも楽しめる
そもそも私は映画館で上映されている映画だけに限らず……
自分の気にいった作品は何度でも見返しては感動できる人間だと思っています。
最近では、リモート配信されたライブを、見逃し配信で繰り返し再生したりするし……
映像のみならず、音楽、書籍、などなど。
「いい」と思った好きな作品は何度でも楽しみたい〜のです。
「リリイ・シュシュのすべて」
市原隼人主演の岩井俊二監督による映画作品です。
この映画を観たのは大学時代にレンタルショップで借りたDVDがはじめて。
「リリイ・シュシュ」というアーティストを心の支えに生きる少年のストーリー。
岩井監督作品の美しく描かれた気持ち悪さに初めて圧倒されて、以来何度もDVDをレンタルしては繰り返し見てきました。
映像としての美しさだけでなく、劇中曲のクオリティも高く、劇場で観ていたらまちがいなく複数回は足を運んでいたであろう作品です。
「葡萄が目にしみる」
地元の作家・林真理子さんの小説である「葡萄が目にしみる」
高校時代にはじめてこの作品に出会い……
その「自意識」の描かれ方に、まるで自分のことが書かれているかのようなリアリティを感じ心を奪われました。
大学時代には卒業制作の副論文の参考文献にするほどでした。
今でも林真理子さんが表現する「自意識」の表現を超える小説には出会えていない気がします。
学生時代、とにかく繰り返し読んだ作品でした。
「すいか」
夏になると無性に観たくなるテレビドラマ。
木皿泉脚本の「すいか」は、以前このブログでも紹介した作品です。
「すいか」こそ、観るタイミングで受け取る思いが変わっている作品。
「こんな下宿で暮らしたいなあ」という客観的な思いから、いつの間にか絆やゆかの気持ちに寄り添うようになり……
今は基子や馬場ちゃんの思いがいたくわかるようになりました。
そのうち、夏子の言葉のひとつひとつの感じ方も変わる時が来るんだろうな。
これからも繰り返し触れていきたい作品のひとつです。
「花束みたいな恋をした」は二度観ても考えさせられる
二人の展開が分かっているからこそ、二度目はわりと冷静な気持ちで見ることができました。
その上で、麦くんと絹ちゃんのそれぞれ大切にしていることを思いやることもできたし……
逆に、自分と照らし合わせたときに、余計「じゃ、どうすればいいんじゃ」と混乱したり。
昔の恋を「花束みたいな」と振り返られるのは、本当によしとされることなのか。
二度観たことによって理解が深まったような、疑問が残ったような。
不思議な気持ちにさせられました。
できればもう一度観て観たい気もする。
でも、この映画もいよいよラストランに入ってきているようなので、観るなら早めに行かないと。
まだ観たことのない人は、ぜひ一回、劇場で鑑賞していただきたいものです。
くり返し触れたくなる作品にもっと出会いたい
映画もだいぶ高価な趣味の域に入るようになりましたが……
そうしてでも楽しみたいと思える作品に、これからももっと出会えていけたらなと思いました。
これから注目している作品もいくつかあるし、なるべく映画館で観れるものは見ていきたいですね。
今日もすてきな1日になりますように。
元気にいってらっしゃい〜。