レジ担当さんに呼ばれ行ってみると、返品の対応の依頼でした。
返品商品は楽器のマークで有名な下痢止めのお薬。
「これと交換してほしいそうです」
と、差し出されたのは、生薬と乳酸菌が配合された、別の下痢止めのお薬でした。
さて、どのような対応をしましょう。
もちろん、なにもせず機械的に返品の対応だけをおこなうこともできますが……
お話を聞くきっかけのひとことは
ただ単に下痢止めの種類を間違えただけなのか、それとも……
それ以前に、きっとお腹の調子が悪くてお薬を購入しているのだ、と思い
「お腹の調子はいかがですか」
と、さりげなく様子を伺ってみました。
お客様は、はっとしたようにこちらを向き
「実は、家族がお腹がゆるくなってしまって……」
と、話し始めてくださいました。
それでね、くすりを買いに来たんだけど、と続きます。
本当は整腸剤をお求めなことがわかる
「いつもこのくすりを飲んでいる、と思って買ったんだけど、家族には整腸剤がほしい、と言われて、慌てて返しに来たんです」
「あ、整腸剤でしたか。そうすると、お客様。このお薬も下痢止めで、整腸剤ではないんですよ」
えっ、という表情のお客様。
改めて棚の前へご案内し、同じメーカーが出す整腸剤を差し出しました。
「そちらのお薬にも乳酸菌などが入っているんですが、腸の運動をおさえたり粘膜を保護する成分もいっしょに入っています。一応、下痢止めです。もし善玉菌で腸内環境を良くしたいだけでしたら、こちらが整腸剤になります」
どちらがいいのかしら、とお客様。
「痛みが伴わず、ただお腹がゆるいのであれば、無理に下痢を止めるよりも、環境を整えるだけでもいいのかもしれませんね。お腹を下している状態になりますので、水分だけは忘れずに取るようなカタチで。整腸剤で様子を見るのもありだと思います」
そう提案すると、ご案内した整腸剤を購入され、お帰りになりました。
ちょっとした気づきで結果は変わることも
先日、レジ業務でも資格者として振る舞うことは大いにできるという記事を書いたばかりですが……
やはり、一人ひとりのお客様に向きあい、気づき、声をかけることで解ける誤解や防げる事故はあると思います。
楽しくお仕事できることに感謝します。
今日も元気にいってらっしゃい〜!