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医薬品 接客

「風邪かも」お客様が最初に選びがちのお薬は……

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感染症流行と年末年始が相まって、なかなか病院へ行かれない人たちが、ドラッグストアへ駆け込むことが多い日々です。

とくに「風邪かも」といって、お薬を選ばれているお客様をよくお見かけしました。
お客様が手にしているのはだいたい……

「総合感冒薬」

もしくは

「葛根湯」

のことがほとんどでした。

風邪の症状に対するファーストチョイスになりがちですが……
よくよ〜く話を聞いていると「それじゃない方がいいんじゃないの」ということの方が多かったりします。

「総合感冒薬」をお求めのお客様の対応

「主人が熱を出して、かぜだと思うんだけど、どのかぜ薬がいいかしら」

という女性のお客様。
有名メーカーの総合感冒薬シリーズを指名されました。

「熱以外に、何かおつらそうな症状はありますか。咳が出たり、鼻水は出ていませんか」
「熱だけみたい。でも、かぜだと思うから、かぜ薬を買ってこいって言われて」

体調を崩すと、なんでも「かぜ」だと思って=かぜ薬という判断になりがちですが……
この場合、なかなか「かぜ薬」をおすすめできないなと考えます。

「解熱鎮痛薬」を提案してみました

「今の時点で熱だけの症状であれば、こちらの熱さまし、解熱鎮痛薬で様子をみてはいかがでしょう」
「これを飲めばかぜは治るの?」

かぜは治りません。
無論、かぜ薬を飲んでも、かぜが治るわけではありません。

「かぜを治すのはご自身の免疫力。お薬は、今出ている症状を和らげるので、その隙にゆっくり休むのがイチバンです」

お客様がお求めの「総合感冒薬」いわゆる、かぜ薬は、さまざまなお薬の成分が集まってできています。
せきを止めるお薬、くしゃみを止めるお薬、熱を下げるお薬……

その症状がないのに、それを治めるお薬を飲む必要があるでしょうか。
余計なリスクを背負うおそれもあります。

「熱が下がれば、少し体もラクになると思います。連休でゆっくりできるのであれば、眠くなりやすい成分が入ったものでもいいでしょう。くすりを飲んで寝るのが回復の近道です」

と、もっともらしく説明しましたが……
それでもお客様は「かぜ薬を頼まれたから」と、総合感冒薬をひとつ取って帰られました。

「葛根湯」をお求めのお客様の対応

「鼻水が出て、かぜだと思うんだけど、どっちがいいかしら」
と、こちらも女性のお客様。

手には、小青竜湯と、葛根湯をお持ちでした。

「症状は、鼻水だけですか。寒気とかはないですか」
「少しさむいかもしれないわね」
「鼻水の様子はどんな感じですか。水っぽいさらさらしたのか、色のあるねばねばした感じか」

すると、水っぽい鼻水が出ているとお客様。
「葛根湯」はよく「かぜの初期症状に」などと書かれていることが多いですが……

「小青竜湯」を提案してみました

「この場合、葛根湯よりも小青竜湯の方がより症状に向いていると思われます」
「こっちの漢方薬の方が、かぜに効くってことかしら」

葛根湯も小青竜湯も、体をあたためるタイプの漢方薬です。

寒気を感じ、体が冷えていることで出る透明なさらさらした鼻水(痰なども)の場合は……
去痰作用のある生薬が含まれる小青竜湯の方が、より向いていると考えました。

「でも、葛根湯はかぜの初期症状にってあるじゃないの。もしかぜをひいているんだったら、葛根湯の方が効きそうじゃないの」
「葛根湯も、かぜだからといってなんでも効くわけではないんですよ。症状や体質、飲むタイミングを損ねれば、効果が得られないこともあります」

葛根湯は実証(体力が消耗しておらず充実している人)向けの漢方薬。
熱が出ていて寒気はするけど、汗が出ないというときが有効です。

逆に、熱が上がりきって高熱になってしまったり、汗をかいていたりすると、体力の消耗があり不向きになります。

小青竜湯には去痰・鎮咳の生薬が入っていますが……
葛根湯には鎮痙作用のある生薬が使用されています。

血管の拡張作用もあるため、血行を促進し、肩こりや緊張型の頭痛にも用いられます。

同じ「かぜに効く漢方薬」でも内容でぜんぜん向き不向きがちがうということをお伝えしました。

が……

やっぱり「風邪のひき始めだと思うから」という理由で、お客様は葛根湯を手に取り、レジへと向かわれました。

他人の意志を覆すのは難しい

お薬の相談をされるお客様の中には、本当に選択に迷っているのではなくて……
自分が思っている「このお薬」がいいですよ! という太鼓判を推してほしい、という目的で話しかけられる人もいらっしゃいます。

そういうお客様の意志を覆すのは、かなりの難関です。

最終的に、どのお薬を購入し服用するかはお客様の判断となります。
私たちは、その選択にいくつかの提案を添えるまでです。

少しでもお客様の健康に、近づくアドバイスができますように。
お客様の心を動かす接客ができるようになりますように。

もっともっとがんばらねば〜。
ということで、今日も元気にいってらっしゃい!

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