高齢の女性のお客様が、かゆみ止めをお求めにいらっしゃいました。
夏になると赤い発疹が出て痒くなるという。
あせもですか? と聞くと、わからない。
過去に病院を3箇所程まわり、3箇所に「ダニ」が原因と言われたそうだが、ご本人は納得していない様子でした。
見ると腕にやや大きめの発疹が確認できました。
虫刺されのようにも見えて、お話では発疹が出来るとしばらく痒いのだが、治まると赤みだけが残って、1週間程すると消えていくそうです。
日頃は市販の液体のかゆみ止めを塗っているが効かず、病院でも薬を貰ったが、効かないといいます。
さて、困りました。
原因がよくわからない上に、病院の薬が効かないとなると、市販薬の範疇ではない可能性もあります。
やはり病院を勧めることになりますが、お客様自身は病院へ行ってもダニと言われるだけだし、薬も効かないから、市販薬でなんとかしたい。
苦渋の選択で、今塗っている市販薬の種類を聞き、ごく一般的なかゆみ止めだったため、ダニにも有効なステロイド剤入のかゆみ止めを紹介しました。
しばらく塗って変化がないようなら使用をやめて、病院でアレルギー検査をしっかり受けてみることをおすすめしました。
せっかく病院へ行っても投薬治療を途中でやめてしまったり、診断に納得がいかず通うのをやめてしまったり、市販薬を選びがちのお客様は割といらっしゃいます。
でも、こちらが上手に説得すれば、また病院へ通いだしてくれることもあると思うのです。
今回のお客様には、3箇所の病院で診断を受けているのにも関わらず「なぜ、ダニじゃないと思われるのですか?」と問いかけました。
「ダニは、時期じゃないと思うんだけど。掃除もこまめにやっているし」とのこと。
接客後気になったので調べてみました。
ダニの繁殖のシーズンは6月~9月で、今がまさにピークでした。
ダニに刺されやすい人にも特徴があって、
- 肌のやわらかい人
脇腹、お腹、腕の内側、股など、皮膚の柔らかいところや、女性、子どもが狙われやすいそうです。
- 汗かきの人
ダニは湿気を好む傾向にあるので、汗でしっとりとした肌はダニが狙ってくるかもしれません。
時期や発疹の場所を見ても、ダニに刺された可能性はかなり高そうです。
また、蚊に刺されるよりもかゆみが長引いていたり、刺された痕が長く残っているのも、ダニさされの特徴だそうです。
痕が1週間消えなかったり、かゆみ止めが効かないと思うのも、かゆみが長引く特徴からかもしれません。
さされた痕だけ見てダニと判断するのはお医者さんでも難しいことだそうなので、いろんな条件を見て、判断するのかもしれませんね。
私たち登録販売者は病気の診断ができないので、原因がわからない症状のお客様には、病院をおすすめします。
ただ、こうした知識が最初にあるかどうかで、対応も変わるだろうし、アドバイスの仕方も違ってくるのだろうなとは思います。
お客様のためを思いながら、今日も一日がんばりたいと思います。