早めにくすりを服用していたとはいえ、とうとうやってきました……
春の花粉症のシーズン!!
先日のブログでも少し触れましたが、鼻炎薬の売れ行きが伸びてきています。
だいたい、お求めの人は目当てのお薬が決まっているようで、売場をご案内するとさっさとお薬を選んで帰ってしまうことがほとんど。
そんな中、30代くらいの男性からかぜ薬売場の前で声をかけられました。
目次
せきと鼻水がつらくてお悩み
「せきと鼻水が出るんだけど、何かいいくすりありますか」
「せきと鼻水ですか。いつ頃から症状が出ているのでしょうか。どちらかというとこちらの方が辛いという症状はありますか」
「数日前から、鼻水がひどいですね。先日までのども痛いように感じたんだけど、今はそうでもないんです」
お客様のお話では、体温を測ると36度9分や37度といった微熱くらい。
少し熱っぽい気もするけれど、元々体温が低いわけじゃないからなんともいえないと言います。
「逆にかぜを引いてもそこまで熱が上がらないから、わからないんですよね。頭が重い気がするけど、かぜなのかな」
「この季節、花粉症でお悩みのお客様も増えてきていますので、いくつか質問させていただいてよろしいですか」
ということで、私なりのかぜか花粉症かの判断材料集めをご紹介します。
かぜか花粉症か区別したい3質問
花粉症かかぜか区別するために聞く質問を、これまでの経験でもって作ってあるのです。
それがこちらの3項目。
これはかぜ? 花粉症?3つの質問
- 目のかゆみはありますか
- 鼻水は透明でサラサラしていますか
- 鼻症状がおさまる時間帯はありますか
順番に聞いてみました。
目のかゆみはありますか
花粉症のもう一つの代表的症状といえば、目のかゆみ!
鼻症状と同時に目の痒みが起きていれば、それは花粉症なのでは、という予測が立てられます。
「目のかゆみみたいな症状は出ていませんか」
「んー、目はとくに痒くないんですよね。鼻だけ垂れて、若干ちょっとつまってきた感があります」
「んん、そうですか。ちなみにこれまで花粉症って診断されたことありますか」
「病院には行ったことないですし、あんまり自分で考えたこともないんですよね……」
しかし、これだけでは決定打といかないので、次の質問。
鼻水は透明でサラサラしていますか
風邪をひいた時の鼻水って、ちょっとねばねばしていたり、黄色かったりするじゃないですか。
それに比べて花粉症の人の鼻水は、さらさらした水様の鼻水、という特徴です。
「んー、ねばねばはしていないですね。どちらかというと水っぽい気がします」
「鼻をかむと延々鼻水出てくるような感じですかね」
「そうそう、でもね〜詰まってる感もあるんですよね、もっと出したいのに、出ない感じで」
ちょっと花粉症の特徴にもはまっているような感じなので、もうひとつ質問です。
鼻症状がおさまる時間帯はありますか
「くしゃみや鼻詰まりが比較的おさまる時間帯ってありませんか。例えば、夜になると少し落ち着く、みたいな」
「夜? う〜ん、あんまり感じたことはないですね。むしろ鼻詰まりで寝苦しいというか」
こう私が聞いた理由は、花粉症の症状が強く出るのは、比較的花粉が飛びやすい日中のことの方が多いからです。
お客様は、すでに鼻詰まりの症状がひどくなりつつあったので、症状の波を感じづらくあるようです。
とはいえ、一日中鼻症状で悩む、症状が同程度続く、というのであれば、風邪の可能性も拭えません。
診断ができない登録販売者の提案
結論を言って、私には風邪か花粉症かの判断ができませんでした。
そもそも、登録販売者は医師と違い、病気の診断はできません。
決めつけは良くないので、できることといえば「お客様のために選択肢をしぼって決断していただく」ことになります。
ということで、私が提案したのはこちら。
鼻水がつらいお客様への提案
- 第一世代抗ヒスタミン薬(鼻炎薬)の服用
- ステロイド単剤の点鼻薬の使用
第一世代抗ヒスタミン薬(鼻炎薬)の服用
「かぜの可能性も拭えないところですが、一番つらい鼻症状をおさえることで、もしかしたら熱っぽさも改善されるのではないかなというのが私の考えです」
「なるほど」
「せきや、喉の違和感も、口内に花粉が侵入したり張り付いたりすることで起きることもあるので。ここは鼻炎薬だけで様子を見るというのもありかなと」
ただし、この第一世代抗ヒスタミンの鼻炎のお薬は、眠たくなったり喉が渇いたりという不快な副作用も現れやすく、それを嫌う人が多いのも特徴です。
そこで、もうひとつの提案をしてみました。
ステロイド単剤の点鼻薬の使用
「もし、飲み薬にこだわらないのであれば、鼻にさす点鼻薬という選択肢もあります」
点鼻薬なら眠くなったりする副作用の心配をすることもなく、比較的すぐに効果を感じることもできます。
また、商品によっては続けて3ヶ月は使用することが可能なものもあるため、花粉症であればワンシーズンを使用して過ごすこともできます。
すでに鼻詰まりの症状が見えているお客様にとっては一番おすすめしたいアイテムです。
もし、お客様が点鼻薬の使用をお考えなら、きちんと使い方の説明をする必要もあります。
はじめて使用する人にはとくに丁寧な説明ができるように、資格者は事前に覚えておくといいですね。
「もしこれらの使用で、症状が改善されないようであれば、花粉症以外の原因が考えられるので、その時は病院の受診をおすすめいたします」
お客様は鼻炎の内服薬を選択し購入
結局、お客様は飲み薬を希望。
多少眠くなっても問題ないというので、最初にすすめた抗ヒスタミン薬を購入し帰られました。
これからさらに高まる「花粉症アイテム」の需要。
医薬品だけでなく、周辺アイテムにも注目していこうかな〜と思っています。
お客様にいい選択肢を提供できますように。
今日も元気にいってらっしゃい〜!