「あのメーカーのファンデーションがほしいんだけど、これはそのメーカーのじゃないよね」
と、年配の女性のお客様から渡されたのは使用済みのファンデーションのパッケージ。
見る限りそのメーカーのものに違いなかったので、
「これはそちらのメーカーさんの商品であってますよ」
と教えて差し上げます。
「あら、そう。これと同じ商品がほしいけどあるかしら」
というので、化粧品売場へご案内します。
確かに、そのメーカーの棚に、そのブランドの商品がありましたが……
化粧水や乳液が並ぶばかりでファンデーションなどの化粧品が見当たりません。
お客様にもう一度確認で「こちら当店で買われました?」と尋ねると、やはり買ったという。
カット商品かな……と思い「化粧品担当に尋ねてまいりますね」と、一度その場を離れます。
「このブランドの商品って、もう並んでいる分しか入りませんか」
と、化粧品の発注担当に尋ねましたところ、そもそも今後なくなる予定のブランドだということが判明。
現時点で並んでいる商品も売り切りだそう。
お客様のところへ戻り、そのブランドが今後なくなることを伝えます。
メーカーに問い合わせて、在庫が残っていれば仕入れることは可能だが、土曜日でメーカーもお休み。
現時点では何とも言えず、回答も月曜日以降となってしまうことを説明しました。
お客様は「あら、そう」と驚かれていましたが……
メーカーが一緒であれば別のブランドの商品でもよいと納得してくださいました。
現在使用しているファンデーションのお色と同じ色の別ブランドのものをご紹介。
メーカーは一緒なのでおそらくコンパクトの形は一緒であることも教えて差し上げると、新しいファンデーションのレフィルだけ購入して帰られました。
お化粧品の商品の入れ替えは目まぐるしく、いつの間にかリニューアルされていたり、いつの間にか廃番となっていたりします。
そのため、その化粧品を愛用しているお客様から「困る」というご意見をいただくこともよくあります。
しょっちゅうあります。
メーカーから代わりになる商品が紹介されていることもありますが……
今回のようになくなったらなくなりっぱなしのものもあります。
そういう場合は、同じメーカーの他ブランドや、他メーカーの同世代向けのブランドなど、自分でなんとか提案しなければなりません。
私の会社では、女性が管理者になると自動的に化粧品の担当になり、不定期でメーカーさんを呼んだ化粧品の勉強会も開かれます。
一般社員に向けた勉強会もごくたまに開かれますが、管理者となるまではやっぱり自力で知識をつけていくほかありません。
なかなか自分が使う化粧品以外の知識って、ふつうにしていたら入ってこないものですが……
こういうこともあるので担当がいないときでも一人で対応できるようになりたいものですね。
今日も一日がんばりましょう。