せっかく医薬品登録販売者の資格を取得した、のに……
人と接すること、接客が苦手で困っている人もいるということを最近知りました。
お店に立つこと以外にも、登録販売者の資格を活かせる仕事はないだろうか。
結論を言うと、薬を販売する以外にも登録販売者の資格を活かす場は作れると思っています。
ただ、それにはクリアしなければならない課題もあるように感じています。
今日は「登録販売者の資格が活かせる働き方」について考えてみたので、まとめてみます。
目次
くすりの販売以外にも資格は活かせる
以前「登録販売者のかっこいいところを3つ考えてみた」という記事にも書きましたが、登録販売者としての知識や経験を活かして働くことができる舞台はあると考えています。
いま私が頭の中で浮かぶ仕事のカタチだけでも
- 登録販売者の資格者を対象にした講師
- 健康などに関心がある人が集まる施設の健康アドバイザー
- 登録販売者に関係する本やブログなどの執筆
- 近くに相談できる人がいない人のための健康電話相談サービス
- ドラッグストアなど薬の販売をする店に特化したコンサルタント
が、思いつきました。
中には、もうすでにこうしたカタチで活動されている先輩登録販売者の人もいらっしゃいますね。
そういう先輩は、起業して自分のビジネスとして確立されているか、ふだんはドラッグストアなどで勤務している傍ら副業として行っている印象です。
くすりの販売以外の仕事には課題もある
私は昨日の記事でも書いたような、会社の正社員として働ける安心感をまだ手放したくないので、独立や起業などは考えていませんが……
自分が持っている資格でこんなに可能性を見出せるのも、なかなか心強い気がします。
ただ、もしこれを読むあなたが「接客が苦手」としてこうしたビジネス手段を考えるのであれば、少し難点もあります。
- 管理者条件を満たさないと採用されない可能性もある
- 実務経験が乏しいと信用に欠ける
- 完全に「対人間」を断ち切ることができない
どういうことか順番に見ていきます。
管理者条件を満たさないと採用されない可能性もある
「直近5年間のうちに2年以上の実務経験(累計1920時間以上)がある人」というのは、登録販売者という資格において、一種の基準になります。
これを満たさない登録販売者は、「研修中」として、条件を満たした登録販売者、あるいは薬剤師のいるもとでしか店舗を回すことができません。
一人前の登録販売者として見てもらえない原因になり得るのです。
もし、店舗販売や、配置販売の現場以外で登録販売者を募集している求人があったとしても、ここを満たしていないだけで採用されない企業もあります。
調べると物流業者などで、若干の募集が見られるようですが、よく求人を見て応募する必要がありそうです。
実務経験が乏しいと信用に欠ける
接客を積む医薬品登録販売者というのは、その業務をこなすうえで
- 都度新しく更新されていく医薬品や健康の知識
- 難しいことをわかりやすく説明する技術
- 顧客にとって何が最善かを選択する判断力
などが、経験でもって向上していくものです。
私の経験上、試験に受かって、すぐに完ぺきな接客をする資格者は見たことありません。
だって、試験には接客方法を答えることなんてないのだから!
実務に入ってはじめて勉強するのが「接客」です。
その経験をすっとばして、資格者であることだけをかざして他のビジネスを始めるのは、なかなか難しいことです。
なぜなら、本来なら接客をしながら積み上げていくはずの「知識」「技術」「能力」さえもすっとばしてくるからです。
単純に、ビジネスパートナーの信用を勝ち取る武器がない状態であるのです。
完全に「対人間」を断ち切ることができない
私が考える、この「医薬品登録販売者」という資格の醍醐味って……
「対くすり」以前に「対人間」であるところだと思うんです。
誰かに情報を提供し、提案し、その人の生活を豊かにすることができる。
そういう資格なんだと思いながら、今日まで働いてきています。
「対人間」をそぐことは、この資格の一番いいところをもぎ取ってしまうことと同じじゃないかな~。
今はオンライン会議もあるし、電話相談や執筆活動のように、極力人に会わないビジネスはできるかもしれません。
ですが、誰かを思って自分の力を注ぐことを忘れてはいけない気がしてなりません。
医薬品の知識があるだけでは登録販売者として働けない
今までの記事でくり返し「くすりばかり見ないで!」「くすり越しに人を見ないで!」と書いてきましたが……
今回の記事はその核心にふれる内容になったのかなと思います。
でも私は接客が好きだから(得意ではない)そう思うのであって、もしかしたら接客なくして資格を活かす方法はあるかもしれません。
どうしてもこの資格を手放したくない、けど接客はしたくない、という人は、どんなささいなアイデアでも書き留めて、ビジネス方法を編み出すといいと思います。
きっと、それを実現することで、同じように悩む資格者の人を救うことができるかもしれません。
医薬品登録販売者の資格の可能性はきっと無限に広がっています。
お互い頑張っていきましょう。
それでは今日も元気にいってらっしゃい。