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医薬品 接客

痔のお薬! 状況で選ぶものも変わります

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60代くらいの女性のお客様に痔のお薬の売場を尋ねられました。
使用するのはご本人です。

「前に使っているものがあったんだけど、どれだかわからなくなっちゃって」

ということで、いっしょに商品を見ることに。

お客様から情報を引き出してみた

「いまの症状の様子によって、選ぶお薬も変わるんですよ。いくつかお尋ねしますね」

さて、ここで私が最低でも聞くことは3つあります。

痔のお薬選びチェックリスト

  • 出血や痛みがあるか
  • 痔の種類や患部の位置がわかるかどうか
  • 今日までくすりを連続してどのくらい使っているか

ということで、さっそく聞いてみました。

現在の症状のようすをたずねた

「今、症状が出てるのに、特徴はありますか。痛いとか、血が出るとか、痒いとか」
「うーん、血は出ないけど、用をするときに痛いのよね」
「あー、じゃあいぼ痔じゃないですかね。外側で、けっこう届くところにできてませんか」

そう私が言うと、お客様は、そうそう、とうなずかれます。

「いつ頃からそういった症状続いていますか。お薬を使いだしたのもいつくらいですかね」
「ここ2,3日ですごく気になりだしたの。くすりはまだ使ってなくて、前に同じことがあったときに使っていたものがあったんだけど、もうなかったから買いに来たのよ」

一応、膿が出たり熱を持ったりしていないかも尋ねたところ、それはない様子。

そういうわけで、こちらのお客様の症状を聞いて

ポイント

  • 外痔核(肛門の外側にできたいぼ痔)
  • 出血はなし
  • 排便時に痛みがある
  • 症状が気になって2,3日が経過
  • 今回の症状でまだ薬の使用はなし

という情報が得られました。

商品のちがいを説明してみた

以前は軟膏を使用していたというお客様。

「お客様のように指で届く位置に患部があるのであれば、軟膏をご使用になるといいですね」
ところが軟膏ひとつとってもいろいろ種類があると思われている様子。
なのでそれぞれの特徴をざっとご説明しました。

患部の位置でお薬の剤形も変わる

「おしりの穴の外側か、その周りであれば、ご自身で直接お薬をつけられますから、軟膏剤です」

清潔な指で直接塗るか、あるいはガーゼなどに伸ばして貼ることもできるのが軟膏です。
このように「患部のある位置」によってお薬の剤形を変える必要があります。

剤形には「軟膏」「注入軟膏」「坐剤」の3つがあります。

痔のお薬剤形選び

  • 軟膏   肛門の外側かその近く
  • 注入軟膏 肛門の内側と外側
  • 坐剤   肛門の内側

このように使い分けることができます。

注入軟膏は容器を押すことで、中の軟膏が出てくるため、指に取ることもそのまま肛門内に注入することもできます。

出血や痛みがある場合はステロイド

「出血がある場合や、痛みやかゆみがある場合は、まず患部の炎症をおさえることが大切です」

ということで、まずはステロイドの入ったお薬を使うのがいいと説明します。

「あら、そう。そのほうがよく効くってこと?」
「ステロイドがもともと炎症をおさえるのに即効性のある成分ですからいまの症状が早く和らぐ可能性はあります」

ステロイド入りの軟膏を各メーカーごとに指し示すと、今度は商品ごとに違いがあるのかを尋ねられました。

メーカーによっても有効成分が違う

「メーカーごとに有効成分の内容が異なりますが、主要のステロイドの強度としてはそこまで変化はありません」

プレドニゾロン酢酸エステルの商品とヒドロコルチゾン酢酸エステルの商品でしたが……
作用の強さとしては両者とも「weak(弱い)」ステロイド剤。

過剰に使用しなければ悪いふうに心配するほどの強力さではないものの、炎症止めとしての効果は有効なものです。

「あとは、それ以外の成分がいくつ入っているかですね。こちらの商品はほかのものと比べて、血管収縮剤や殺菌成分、かゆみ止め成分などが多く入っていますが、そこまでの成分がご自身に必要かどうかを考えられたほうがいいですね」

そう伝えると、最小限の有効成分が入ったステロイド入り軟膏を手に取られるお客様。

ステロイド剤の使用限度は10日間まで

「大切なことですが、このステロイド入りのお薬は決して長い間使用しないでください」

最低でも10日間使用して、症状が全然よくならないようであれば病院で相談されたほうがいいです。
この期間を越えてくすりを使用することはできません。

「まだくすりを使いたい場合はどうすればいいの」
と、お客様。
もちろん切り替えるためのお薬も存在します。

ステロイドのない痔のお薬もあるので紹介

「はい、痛みはひいたけど、まだかゆみがあったりムズムズ感を感じる場合は、こちらのステロイドが入っていないタイプのお薬に切り替えていただけます」

紹介したお薬にはステロイドではないけれど、炎症をおさえるための成分が入っているので、まだ炎症が残ってかゆいくらいの症状にはおすすめしています。

「それから、こちらは痔の専門のお薬ではありませんが……アロエの軟膏が肌を守りながら組織を修復するお手伝いをするお薬なので、だいぶ良くなってきた場合はこちらで保護してみるのもいいですよ。効能にも痔の表記があります」

と、紹介すると意外な商品だったようでお客様もびっくりされていました。

状況で使うお薬が変わるからぜひ相談してほしい

とりあえず、いまは痛みが気になるからと、ステロイド入りのお薬のみを購入されるお客様。

「痛みが治まってきたらまたこっちを買いに来たいと思います。聞いてよかったわ、いろいろ教えてくれてありがとう」

そう言って笑顔で帰られました。
そう、痔の相談って、ちょっと恥ずかしいかもしれないけれど……
ステロイドの常用など本当はだめなことや、これを選んだほうがいいっていう伝えたい情報がたくさん!
ぜひ、こっそりでもいいんで相談に来てほしいジャンルでもあります。

ドラッグストアに勤めていると、そんなお薬を買われる人が来られるのは日常茶飯事です。
からだや健康で悩むのはみんないっしょです!
解決策をいっしょに考えさせてくださいね~。

今日もお客様にとってためになる接客ができますように。
それでは元気にいってらっしゃい!

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