これから書くことは、私が薬を選んだうえでの失敗談になります。
今後くすりを選ぶうえで同じ失敗は絶対にしてはいけないと思って、ここに書きたいと思います。
自分が具合が悪くなるとチャンスとばかりに、普段飲んだことのないくすりを選んで試しに飲んでみることをやっています。
実際に効くかどうかもですが、剤形や味での飲みやすさとか、そういうのって自分で飲んだことがないとわからないですし。
アパレルの店員さんみたいに実際に自分のところの商品買って身に付けて「それ、私も今同じもの飲んでるんですけど~」ていう接客が、なかなかお薬にはできませんから。
なので休憩中、嬉々としてくすりを選んでいる店員がいたら、その人は今本当は具合悪いんだってことになります。
さて、この時私が主に感じていた症状はのどの痛みとくしゃみ鼻水などの鼻の症状でした。
のどの痛みはそれまでイブプロフェン配合の解熱鎮痛薬で対応していましたが……
効果がいまいちなのと、これ以上解熱鎮痛薬を飲み続けるのもどうかな、と思っていました。
なので今回、普段からのどが痛いというお客様におすすめしていたトラネキサム酸が成分にあるお薬を選択。
黄色っぽくて思っていたより薄くて大きめの印象の錠剤でしたが、特に飲みにくさは感じなかったです。
結果として、一度の服用で症状はかなり緩和。
なかなかいい選択肢かもしれません。
鼻炎薬は普段は1日1回服用のみのお薬を飲むことが多いのですが、今回は変えてみることに。
プソイドエフェドリンなどが配合された速溶錠を試しました。
口の中で溶かしたり、かみ砕いて飲むタイプのお薬は試したことがなかったので完全に興味本位です。
1回2錠飲むのでひとつは噛んで、ひとつは溶かして飲んでみました。
どちらでも飲みやすいとは思いますが、正直あんまりおいしくないので噛んでさっさと飲み込んでしまった方がいいなと私は思いました。
でも、水なしで飲めるというのはいずれにしても便利ですね。
効果としても、それまでくしゃみ鼻水が止まらない状態だったものがしばらくするとあんまり困らなくなりました。
しばらく薬の効果を感じながら働いていると、夜になってだんだん体に痛みを感じるように。
心なしかだるさも感じて、仕事に身が入らない……
まさか、今から熱が上がるのかな。
自宅に帰って熱を測ってみますが、大した熱ではありません。
おかしいなと思い添付文書をもう一度読み直します。
すぐにその間違いに気が付きました。
鼻炎薬に、グリチルリチンが含まれている!
のどのくすりにもカンゾウが含まれているので、成分の重複です……。
鼻炎薬の方には記載がありませんでしたが、のどの炎症止めの方には「してはいけないこと」に禁止の記載があります。
ということは、この体の痛みとだるさは、偽アルドステロン症の症状になるのか……
たった1度の服用で、こんなに顕著に症状が発生するものなのか。
風邪をひいて弱っているところだから、余計に症状が出やすかったのかもしれません。
偽アルドステロン症は重篤な症状として、医師の診療を受けるよう指示が書かれています。
ひとまず、のどのくすりを中断し、鼻炎薬に絞って服用を続けることに。
翌日には体の痛みやだるさは消え、鼻の症状も解消されたので、薬を飲むのをやめました。
自分の場合すぐに薬の副作用だと気づくことができましたが……
そもそもそこに気が付くことができずに薬を飲み続けてしまうお客様もいることでしょう。
もしこれが、自分ではなく、お客様の対応でのことだったら。
ぞっとする選択です。
少しの見落とし、聞き落としが、人を危険にさらす可能性を高めるということ。
登録販売者という仕事は、人の健康を左右する仕事なんだということを、もっと意識する必要があると思いました。
自身が体調が悪い状態だったとはいえ、判断力が鈍っていた、では済まされないことだってあるんだと、身をもって実感したというお話です。
まだ少し頭痛と咳に悩まされていますが、お客様のご相談を真摯に受け止めて対応したいと思います。
今日も一日がんばりましょう。