10年前の今日、あの時間。
私は東京の大学生で、就職活動真っ只中。
地元の企業の就職試験を受けるために、ちょうど甲府駅に降り立ちバスを待っていたときでした。
震源から遠く離れた山梨でさえ強い揺れを感じた地震。
もし、特急あずさに揺られているときに起きていたら……
電車は何もない線路の上で停まり、帰宅どころではありませんでした。
当時、甲府駅付近の会社に母が勤めていました。
待っていたバスが来ないと判断した私は、母の勤務先へ。
すぐに家族に会うこともできました。
その後、東北の凄惨な状況を知ることに。
いつか占い師の先生に「大した苦労をしてこなかったでしょ」と言われたことがある私。
「そんなことないよ」と、言い返したかったけれど、正直そのとおりで……
少しくらい大変なことはありますが、たいていは丸く収めてこられていると思います。
苦労を知らない私は、果たして本当に人のつらさ、苦しさを労わることができるのだろうか。
目の前で困っている人に、気づき、手を差し伸べることができるのだろうか。
そうしてこられただろうか、そんなふうに、不安になることもあります。
こんな私でも、誰かのためにできること。
それをずっと、探しています。
今日まで当たり前に手にしてきたものが、決して当たり前でないことを、噛みしめて生きていきます。
すてきな1日になりますように。