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仕事観

「明日も休めない」人は本当にいないと言えるのか?

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とある製薬会社さんがSNSで「明日も絶対休めない…そんなあなたに」と、自社の風邪薬をおすすめするツイートをしたところ炎上したのを見かけました。

その理由は

「風邪をひいても絶対に休めないなんておかしい」
「ブラック企業を連想させる」
「公衆衛生上風邪を引いた人を外に出すのはいかがなものか」

などなど。

要するにこの「明日休めない」というフレーズは、時代錯誤になりつつある、ということでした。

このフレーズ、我々くすり売りとしてはとっても便利な言葉で……
何十とある風邪薬や栄養ドリンクがある中で、このフレーズを書いたポップをぽんと置いておくだけで、まさに「明日休めない」人はその商品を手に取ります。

「明日休めない」人へ宛てたこの言葉は、上の製薬会社さんだけでなく……
いろんな薬局、ドラッグストアが使い古してきた言葉でもあります。

風邪をひいたり、体調を崩したら、栄養つけて寝て汗かいて休めばいい。
なんていうことは実は皆さん知っていることだと思います。

もっと言えば、風邪薬の効果というものはすべて対症療法です。

つらい症状を一時的に緩和させるものであって……
風邪や病気自体を根本的に治す市販薬は、この世に存在しません。

だからこそ、繰り返しになりますが、体調を崩したらとにかく休むことが大切なのです。

ところが、実際にくすりを売る現場で働いていると……
明らかに市販薬の範疇を超えている症状のお客様でさえ

「病院が定休日だから」
「まだ病院にかかるほどではない」

などと言って「即効性のあるくすりを」と、ドラッグストアに駆け込んできます。

それを特にこの時期毎日のように見てきて私は思います。

社会や企業のせいにしちゃいけない。
これは自分自身、個人の意識の問題だ、と。

まずは自分が本当に休めない人間だと思うのなら、日頃からのケアの意識も高める必要があります。
うがい、手洗い、マスクの着用、人混みには行かない。
インフルエンザなら予防接種を受ける、など。

予防接種を受けていても、インフルエンザにかかる人はかかります。
それでも具合が悪くなってしまうことだってあります。

そんな時、休めるのであれば、とにかく休めば回復も早いです。

でも休めない、という人だっています。
そういう人が、私たちのところへやってきます。

そんな人たちに、私たちは何ができるのか、よく考えます。

大変ですね、お辛いですね、と共感して、病院をすすめるかもしれません。
くすりや栄養ドリンクを選ぶかもしれません。
消化のいいものを食べて、水分を取って、できればゆっくり休んでくださいとアドバイスもすると思います。

そこから先、どうするかはお客様次第です……

決して具合の悪い人に無理をさせるつもりはありません。
でもそうやって頑張ってしまう人がいるのが現実です。
そういう人に寄り添ってさしあげることが私たちの役目のようにも思います。

「薬飲んで、寝ろ」という合言葉を言うヒーローが人気な世の中ですから……
風邪をひいてもみんなが休める世の中が、本当にくればいいですけれど。
いろいろな立場の人がいますからね。

きっといろんな人の希望や願いを、そのヒーローは背負っているのかもしれません。

今日も当たり前のように目が覚めて、元気にお仕事ができることに感謝します。

-仕事観

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