先日、SNSの投稿で
「商品POPは店員のおすすめ! や商品の特長を並べるよりも、『近所の○○さんがすすめてました』の方が伝わる」
という内容を発見しました。
ぶっちゃけ言ってその通りです。
医薬品に限らず、人間の心理としては「そういうものだ」と思うべきです。
むしろ、それがわかった時点で、販促もそういう方向にすべきなのです。
だから私は、どんなチェーンのドラッグストアでも、自店独自の販促スペースは持つべきだと思います。
それをよく考えた記事がこちらです。
こういったお客様の心理などを踏まえて……
実際に私がPOPを作るときに、どういったことにこだわっているのか。
「こういうPOPをめざしたい!」という私の「こだわり」をご紹介します。
目次
手書きポップのここにこだわる5点
手書きポップのこだわり
- 成分名は極力書かない
- 「治る」「効く」は書かない
- きれいに飾らないで話し言葉で書く
- ハートマークで伝えられるように工夫する
- 「特定の人」の「具体的な悩み」に宛てて書く
成分名は極力書かない
もし私が、医薬品の素人としてドラッグストアに鼻炎薬を買いに来たとして……
「このフェキソフェナジンが」「プソイドエフェドリンが」
っていう成分名って、正直いちばんいらない情報のような気がしています。
知りたいのは、くすりを飲むことでどんな効能効果が得られるのか。
もっと言えば、その効能効果でもってどんないいことが起きるのか。
だから、成分名や効果だけを羅列しない。
本当に知りたいときは、POPを読んでから声をかけてもらえばいいですし……
POPではいちばん伝えたい部分を簡潔に伝えるようにしています。
「治る」「効く」は書かない
医薬品以外のものはもちろんですが……
医薬品でも安易に「治る」「効く」という言葉を使わないようにしています。
その理由のひとつは、適正広告基準への配慮。
もうひとつはお客様に実際に商品を利用したら、生活がどう豊かになるのかを「想像」してもらいたいから。
「治る」「効く」を使わず、いかにその商品の魅力を伝えることができるのかに、いつも挑戦しています。
きれいに飾らないで話し言葉で書く
かっこいい言葉や難しい言葉をたくさん並べても、お客様の心には響きません。
近所の人や友だち同士と話すような「クチコミ」的なノリでPOPは書きたいと考えています。
親近感や、安心感をもって商品を選んで購入してくれたらいいですよね。
成分名を書かないことにもつながりますが、伝える情報がただの知識のひけらかしにならないようにしています。
ハートマークで伝えられるように工夫する
「ハートマーク」はすごはんのまっす〜さんに教えてもらった考え方です。
お客様にしてほしいこと、守ってもらいたいことがあるときは……
お説教くさい注意書きなどでは書かないようにします。
有名な例で言えば、トイレの壁に「汚さず使ってください」と書くよりも「きれいに使ってくれてありがとう」と書いた方が、きれいに使ってもらえるという、あれです。
お客様へのお願いごとの他にも、やむをえず商品を欠品させてしまったときなども……
「欠品」の事実だけをお詫びするのではなく、新たな「提案」もできるといいのかな、と思います。
「特定の人」の「具体的なお悩み」に宛てて書く
例えば、たくさん人がいる中で「そこのお客さま〜!」と叫んでも、誰も振り向いてもらえないけれど……
「山田さん〜」と叫んだら、山田さんは振り向いてくれるかもしれません。
「お車でお越しの山田さん〜!」だったら、車で来た山田さんは「あれ、私かも?」て思うはず。
こんな感じで、ターゲットが漫然としている時よりも、限定した方が刺さる人が出てくるのがPOPだと思います。
また、商品の効果を得ることでどんないいことが起きるのかを書くのも、ここにつながります。
ウエストを細くして……「お気に入りの服が着られるようになる」
膝の痛みを和らげて……「ちょっと遠くに出かけられるようになる」
鼻詰まりを改善して……「試験勉強に集中することができる」
という、効果効能の一歩先を書くことで、その生活を望んでいる人に選んでもらうことができると考えています。
商品特長の羅列で振り向かれないのは当たり前
取ってつけたような「店員のおすすめ」POPや、難しくてすごそうな商品説明では、お客様は騙されませんよ〜。
商品ポップはもう一人の「店員」も同然。
だからPOPもお客様と「会話」ができなければならないのです。
商品のことばかり見ず、お客様のことをよく見つめ、考えながらPOP作成に取り組みたいですね。
たのしくお仕事できることに感謝します。
今日も元気にいってらっしゃい〜。