登録販売者になりたくて試験を受けた、あとは合格するだけ!
と、思っているそこのあなた。
登録販売者は受かってからが本当の勉強の始まりです。
くすりや健康の情報は目まぐるしく更新されるし……
接客では思いもよらない疑問や相談に、頭を悩ませるかもしれません。
登録販売者の仕事は「わからないことをわからないまま」にしていたら通用しません。
だから、合格後も日々勉強を続けることが大切なのです。
そこで今回は、登録販売者の合格後……
新人、研修中の資格者でも読んでわかる専門書をご紹介します。
合格後は何を読んで勉強すればいいのかわからない。
知識や経験の浅い自分でも理解できる本が知りたい。
そんな人はぜひ参考にしてみてください。
登録販売者が「まず読みたい!」おすすめ本はこの4冊だ
登録販売者の合格後、実務に向けた勉強をするにあたって……
- 試験合格後のある程度の専門知識があり
- でもまだまだ実践で活躍するには経験不足
という「新人」「研修中」の立場の資格者にもおすすめできる本を挙げてみました。
あまり表記の難しいものは選ばず、すっと情報が入ってきやすいタイプの本を選んだつもりです。
まずはこの4冊を揃えてみることをおすすめします。
- 「OTC医薬品の比較と使い分け」児島悠史
- 「やさしくわかる! 登録販売者1年目の教科書」村松早織
- 「現場で使える新人登録販売者便利帖 もっと症状から選ぶOTC医薬品」仲宗根恵
- 「現場で使える登録販売者・薬剤師のための漢方相談便利帖 わかる! 選べる! 漢方薬163」杉山卓也
「OTC医薬品の比較と使い分け」児島悠史
以前から何度もご紹介している超おすすめ本。
もっとお薬の知識を固めたい人は、まず持っていて損のない本です。
およそ800点のありとあらゆる文献を参考に著されているので、お薬の情報が幅広く網羅。
ページの隅の「こぼれ話」ですらとっても参考になります。
中でも「現場で役立つQ & A」のページでは、お薬をめぐって疑問に思いがちなことやお客さまにも聞かれそうなことの答えがいっぱい。
うまく答えられるか不安があったことも、このページを読めばわかりやすく理解し答えられるようになるかもです。
また、市販薬に使われる「主な有効成分の特徴」も、実際に使用されている商品名も提示しながら、成分の長所や短所、妊娠中や授乳中の使用の可否などが紹介されています。
成分ごとの強みやちがいを理解しながらお薬を選ぶための参考になります。
多くの情報が詰まった本なので、経験が浅い新人登録販売者の人はピンとこない内容もあるかもしれませんが……
実務をこなしていく中で市販薬の「知りたい!」と思ったことの答えが、この本にはあります。
長く読み続ける本として、ずっと手元に置いておいて間違いありません。
「やさしくわかる! 登録販売者1年目の教科書」村松早織
登録販売者の仕事の全体像や、今後ぶち当たる可能性のある問題やその解決策が、先輩資格者の声なども交えて紹介されている本です。
いざ現場に立ったとき、ひとりで仕事ができるよう自分が困らない環境を事前に整備できるイメージ。
単にお薬の知識本、ではなく、より「仕事」「接客」などにフォーカスしている本でした。
とくに第4章「ここが知りたい! 新人登録販売者の疑問」は私が思う見どころで……
誰もがぶち当たるだろう問題が解決できる情報が満載です。
「外国人のお客様がきた!」
「お薬の『相談すること』について相談された!」
などなどの焦るシチュエーションにも強くなること間違いありません。
超がつくほどのお役立ちお仕事本です。
「現場で使える新人登録販売者便利帖 もっと症状から選ぶOTC医薬品」仲宗根恵
「現場で使える新人登録販売者便利帖」シリーズは、どれをとってもめっちゃ役立つ名シリーズ。
ぜひ一冊一冊揃えてすべてに目を通していただきたいですが……
今回の「もっと症状から選ぶOTC医薬品」は「くすりを売る」で終わらない資格者になるためにも必読の本です。
いままでは「かぜ」や「花粉症」「便秘」などの症状のお薬選び本が多く発売されてきました。
これらは、登録販売者として働くうえで最優先で学ぶべき分野であり、おさえるべき大切な知識。
「もっと症状から選ぶOTC医薬品」はその名のとおり「もっと」広いカテゴリ、情報が掲載されています。
そしてそれは、市販薬の選択のための知識にはとどまりません。
ドラッグストアにはいろんなお悩みを抱えてやってくるお客様がいます。
乾燥肌や抜け毛などの身体的なお悩み。
老化や介護などのお悩み、などなど。
そういうお悩みにこたえるための関連商品の知識も、この本には掲載されています。
誰かのお役に立つためにお店に立つのであれば、お薬を売れるだけでは不十分。
この本を読めば「もっと」悩める人に寄り添えるようになれますよ。
「現場で使える登録販売者・薬剤師のための漢方相談便利帖 わかる! 選べる! 漢方薬163」杉山卓也
杉山卓也さんの「現場で使える」漢方薬シリーズの一冊です。
試験勉強も漢方薬が苦手だった!
専門書はもっと難しくて手が出ない!
そんな人にこそおすすめしたいシリーズ本。
中でもこの「わかる! 選べる! 漢方薬163」は、ちょっと漢方薬の特徴や性質を調べたいときに、辞書感覚でさっと引けるので、私もよく開いています。
もちろん、本のはじめには「漢方の基礎」のざっくり解説もあり。
用語や基礎知識の説明からはじまり、東洋医学の考え方について概要がまとめられています。
漢方薬の知識を深めたいけど、もっと簡単にわかりやすく触れ始めたいな。
という人は、もってこいの漢方専門書ですよ。
慣れてきた頃「読めば差がつく!」手を伸ばしたい本はこの2冊だ
次に紹介する本は、最初に紹介した本も一通り読んで、仕事に慣れてきた人がぜひ目を通してみてほしい本です。
登録販売者の勉強は「生涯学習」と言っても過言ではありません。
いろんな本を読み、新しく情報をキャッチして、接客でアウトプットしていく。
そのくり返し。
慣れてくれば、今まで理解できなかった本の話もすっと入ってくるようになりますし……
「もっとこういう情報や知識を深めたい」という欲も出てくるでしょう。
ということで、ここではこの2冊をご紹介します!
- 「今日のOTC薬 解説と便覧」(編集)伊藤明彦・中村智徳
- 「総合診療医が教えるよくある気になるその症状 レッドフラグサインを見逃すな!」岸田直樹
「今日のOTC薬 解説と便覧」(編集)伊藤明彦・中村智徳
実際の市販薬の商品名が、これでもかってくらいに掲載されていて、その情報をもとに「成分」の作用や禁忌、飲み合わせなどの注意点などがめちゃくちゃ詰め込まれている本です。
「フローチャート」「マトリックス」「解説」「便覧」の4部構成で書かれている、市販薬の専門書です。
お客様の症状に合った適切な成分を知りたいときは「フローチャート」
商品の全体像をおおまかに知りたいときは「マトリックス」
成分についてくわしく知りたい場合は「解説」
症状に合う商品をすばやく検索したいときは「便覧」
を駆使して調べられる、超まとめ本ともいえるでしょう。
難点は詰め込み情報で字がめっちゃ細かいから、ず~っと読み続けるのはたいへんなこと。
必要なときにさっと調べられるように、お店に一冊置いておきたくなるような本でしょう。
「総合診療医が教えるよくある気になるその症状 レッドフラグサインを見逃すな!」岸田直樹
お医者さんが薬剤師さんへの調査をもとに、患者さんからよく聞かれる症状や聞かれて困る症状からまとめられている「気になる症状の見極め」本といえます。
いわゆる「受診勧奨」を選ぶかどうかを判断するための事前知識、あるいは聞き取りの技術、そんなものをこの本では得られます。
お医者さんが書いているのもあって、より「症状」「病態」にフォーカスしている印象です。
「OTC医薬品の比較と使い分け」などにも受診勧奨の目安が解説されていますが、知識を広げたい人は読んでいいでしょう。
とくに、この本には「めまい・倦怠感を見極める」という章があります。
「めまいがする」「最近なんだかだるいんだよね」みたいなご相談は、実際に現場でよくあることです。
そして、いつもうまくこたえられない……
この本には、そんなふわっとしたお悩みを解決するために、さらにヒントを引き出すための聞き方や判断基準が書いてあるので、そこを読むのを目的にまず購入してみるのもアリな気がします。
自分に合った勉強本を手に入れ知識を深めよう
- 「OTC医薬品の比較と使い分け」児島悠史
- 「やさしくわかる! 登録販売者1年目の教科書」村松早織
- 「現場で使える新人登録販売者便利帖 もっと症状から選ぶOTC医薬品」仲宗根恵
- 「現場で使える登録販売者・薬剤師のための漢方相談便利帖 わかる! 選べる! 漢方薬163」杉山卓也
- 「今日のOTC薬 解説と便覧」(編集)伊藤明彦・中村智徳
- 「総合診療医が教えるよくある気になるその症状 レッドフラグサインを見逃すな!」岸田直樹
以上、6冊のおすすめ本をご紹介しました。
いまは登録販売者に向けた勉強本がたくさん存在します。
その中から、自分に合ったものを見つけて、ひたすら読み込んでいく。
そこからはじめていくといいと思います。
今後も情報が更新され続けていく世界。
学ぶことは「楽しい」と思いながら、お仕事していけるといいなと思います。
ぜひ今日の記事を参考にしてみてください!
それでは、今日も元気にいってらっしゃい〜。