ドラッグストアなどに元々勤めている人はもちろん……
異業種ではたらく人にも、キャリアアップのために注目されてきている「医薬品登録販売者」という資格。
私もマスコミ業からの転職を機に、登録販売者の資格を取得しました。
資格をとってはたらくことで、人生が変わったとも思える出来事でした。
私は本当にこの資格をとってよかったと思っていますが……
中には「登録販売者なんてなるのはやめとけ!」という同業者もいるようです。
なぜ、そんなことをいう人がいるのか。
考えられる理由と、その考えを打破するヒントをご紹介します。
「登録販売者になりたいけど、やっていけるかな」
「登録販売者の仕事ってなにが大変なんだろう」
「具体的に登録販売者の仕事をイメージしたい」
そんな疑問や悩みをお持ちの人に、ぜひ読んでいただきたいです。
目次
「登録販売者はやめとけ」と言われる理由はココだ
結論を言って、登録販売者という資格はいいところがたくさんあるすてきな資格です。
試験に合格すれば一生手元に残る資格ですから……
正直いって、取得しないほかありません。
では「やめとけ」という人は、どんなところを指してそうネガティブな発信をするのでしょうか。
考えられる理由は、思いつくだけで4つあります。
登販「やめとけ」の4つのワケ
- 思っている以上にくすりの接客ができない
- くすりの知識を蓄えるだけでは仕事にならない
- 会社のすすめる商品をすすめていく必要がある
- 店の状況や会社の都合で勤務時間に変動がある
思っている以上にくすりの接客ができない
登録販売者は資格者という以前に、お店の従業員ですから……
当然、お店に必要な業務をこなさなければなりません。
レジ打ち、品出し、発注、前出し……
「人」「物」「金」の管理をする必要があります。
また、お店はけっして医薬品だけを取り扱っている訳ではないのがほとんどです。
食品や日用品の管理もしなければなりません。
一日中レジ業務で、売場に一度も出られなかった。
食品の売場メンテナンスに明け暮れ、医薬品売場に一度も立たなかった。
そんな日はザラにあります。
医薬品売場でニコニコ立っていれば成立する仕事ではないのが、登録販売者だといえます。
くすり以外の仕事だって、やってみると楽しいんですけどね。
くすりの知識を蓄えるだけでは仕事にならない
資格試験の合格までは、ひたすら知識を詰め込んでいくだけでよいのです。
そして、その知識でもっていざ合格すると、なんだか自分がとってもためになる人間のようにも思えてきます。
でも、実務において知識だけでは通用しません。
資格者として、はじめて売場に立たされて、お客様を接客したときにすぐにわかると思います。
自分にくすりの「接客スキル」がまったくないということを!
売場に立てるようになったら勉強は終了、ではなくて……
売場に立って役に立つための「ちがう勉強」を続けていかなければならないのが登録販売者です。
また、接客業ですからそれなりの愛想も必要になってきます。
人とコミュニケーションを取るのが苦手、机で勉強をしているだけで充実できる。
そういう人は、もしかしたら仕事をするのがツラくなってしまうかもしれません。
とはいえ、いつでもニコニコ満面の笑みである必要はないんですけどね。
会社のすすめる商品をすすめていく必要がある
主にドラッグストアには「推奨販売品」という、粗利のとれる会社にとって利益になる商品があります。
多くは会社のプライベートブランドだったり、あまり有名ではない企業の商品だったりします。
似たような処方の商品をすすめるときは、積極的にこちらの「推奨販売品」を提案するべき、という風潮があります。
会社によってはお店や資格者一人ひとりに売り数などのノルマが課せられることも。
本当は別の商品をすすめたいのに、空気を読みすぎてしまう人には、あまり好まれない文化だなと思っています。
推奨販売品制度も、けっして悪いことばかりではないんですけどね。
店の状況や会社の都合で勤務時間に変動がある
他の従業員の欠員の穴埋め、繁忙期による人手不足、会社行事の参加……
などなど、通常のシフトでまわらないような事態は往々にしてあります。
そういうときは、定休が変更になったり残業したり、遅番が早番になったり、勤務時間に影響が及びます。
お店に勤める者同士、ここは助け合いなので、致し方ないことが多いですが……
仕事とプライベートのバランスをしっかり保ちたい、という人にはたいへんな業界かもしれません。
会社や勤めるお店にもよりますし、自分の希望が一切通用しないことはないと思いますけどね。
登録販売者は「お薬を扱える商売人」である意識を持つこと
私は以前「登録販売者は医療従事者なの?」という疑問に対し……
「定義では医療従事者と言ってもいいかもね」という記事を書いたことがあります。
でも、上記の記事にも触れていますが……
登録販売者はくすりを「販売する」ことが前提で作られた資格なんですよね。
つまり登録販売者という資格は、サービス業の仕事のための資格なんです。
「自分は市販薬をとおして、市民のみなさんの健康をサポートする医療従事者だ」
と、自分の中で思っている分にはぜんぜん問題ありません。
ただ、その意識を全面に、いざ現場で資格者としてはたらくと……
自分の中のイメージと現場の仕事の現実に「ズレ」が生じてくると思います。
医療従事者と名乗るその前に、自分はお薬を扱える「商売人」なんだという意識を、どこかに持っていた方が、ずっと仕事は続けやすくなると思います。
それでも登録販売者に挑戦したいと思える人に
実際にこの仕事、たいへんなことは多いと思います。
それでも、理想の自分像を追い求めて、いつでも自己研鑽できる人こそ、この資格をとってほしいな〜って思います。
登録販売者、たのしい資格ですよ。
ぜひ、挑戦してみてください!
それでは、今日も元気にいってらっしゃい〜!